黄大仙の blog

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中国が台湾産ハタの輸入停止 台湾はWTOに提訴も示唆

国税関総署は、台湾産ハタの輸入を13日から一時停止すると発表しました。これを受け、台湾の農業委員会は世界貿易機関(WTO)へ提訴する可能性も示唆しました。

  中華人民共和国税関総署の通知と、台湾の唯一の国営通信社の中央通訊社の記事より。

中国が高級魚の台湾産ハタを輸入禁止

  中国税関総署は、禁止薬物が検出されたため、613日から台湾産ハタの輸入を停止すると発表しました。

 

  これに対し、台湾行政院農業委員会は、中国のやり方は国際的な慣行にそぐわないと非難し、WTOへの提訴も示唆しました。

 

  台湾の蔡英文総統は、中国政府の動きは「両岸関係を傷つけるものだ」と批判しています。

 

  中華人民共和国税関総署はウェブサイトで、『昨年来、大陸の税関は台湾から大陸に輸入されたハタからマラカイトグリーンとクリスタルバイオレットの禁止薬物を繰り返し検出し、さらに基準値を超えるオキシテトラサイクリンも検出した。  危険防止と消費者の健康・生命を守るため、本土の関連法規・基準に基づき、2022613日から台湾から本土へのハタハタの輸入を停止することをここに決定した。』との通知を出しました。

中華人民共和国税関総署のウェブサイト



 

  昨年の台湾産パイナップルの輸入禁止に続き、今年は高級魚の台湾産ハタが輸入禁止となりました。

 

  台湾の農業委員会の陳吉中主任委員は、本日記者会見を開き、台湾のハタの品質は良好であると強調し、中国に試験データを提供し、中国の関連部門に対応を求めると述べました。 

 

  陳吉中主任委員は、2019年と20年には基準値以上の薬物は検出されていないと強調し、昨年には中国側から台湾の養殖場2カ所で養殖されたハタから基準値を超えた薬物の検出があったと連絡があったが、農業委員会の追跡調査で、規定に合致し、安全性に問題ないことが確認されたと述べました。

 

  陳吉中主任委員によると、農水産物の国際取引で残留物が基準を超えていることが判明した場合、通常はその商品の一括返却か廃棄が行われるのみだとのことです。

 

  輸入禁止という中国のやり方は、国際貿易の国境検査慣行と世界貿易機関WTO)の食品安全検査と動植物衛生検疫(SPS)規則に違反していると述べています。

 

  昨年12月末、中国税関総署は、厦門税関が台湾から輸出されたハタの活魚からマラカイトグリーンとクリスタルバイオレットの2種類の禁止薬物を検出し、直ちに台湾の2養殖場の活魚を輸入停止、その他の台湾からの輸入活魚に対する検査を強化したと発表していました。

 

  台湾の農業委員会は当時、産地を遡って調査し、検査を拡大した結果、規格外のハタは見つからなかったとし、調査報告書も中国に提出したが、中国側からの回答はなかったとのことです。

 

  農業委員会の陳添寿副主任は、現在、中国へのハタの輸出は、すべて活魚の形で行われていますが、米国へは、一部、冷凍魚のフィレの形で輸出されており、今後、台湾産ハタは、他の市場へ販売するために冷凍魚という形で輸出されると述べました。

 

  農業委員会によると、中国向けのハタの輸出量は、例年1万トン以上あったものが、2021年には約6000トンにまで落ち込みました。 今年5月現在、ハタの輸出量は約3,000トン、そのうち中国向けは2,860トンと、台湾の中国市場に対する依存度が低下しているとのことです。

 

  台湾行政院の羅秉成報道官は、「台湾のハタは国際規範に合致しているにもかかわらず、中国が国際慣行と矛盾する形でハタの輸入を全面的に停止したことは、台湾の農民・漁民の権利と両岸関係を傷つけるだけでなく、台湾人の中国共産党による弾圧への怒りをより強くさせるものである」と述べました。

 

  昨年31日から、中国が台湾産パイナップルを輸入禁止にしたのは、『害虫が繰り返し検出された』からだとしていましたが、日本が輸入した台湾産パイナップルから害虫が検出されたとの報告はありません。

 

  台湾産ハタも日本が輸入してみれば、中国税関が言うような禁止薬物が使われているのかどうか、すぐにわかります。

taiwannews.jp


 


 

参考記事

<海关总署网站>海关总署动植物检疫司关于暂停台湾石斑鱼输入大陆的通知

http*://bit.ly/39ooocf

<中央通訊社>中國暫停台灣石斑輸入 潘孟安:不依賴單一市場

http*://bit.ly/3mA1MZw