東京オリンピックの中継をパブリックビューで見ていた香港人が、中国の国歌を侮辱したとして監禁されました。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
香港メディアによると、42歳の”自称ネット記者”梁恩寧さんは、中国国家の「義勇軍の行進」を侮辱したことを認め、懲役3ヶ月の判決が下されました。
2021年7月26日、東京オリンピックのフェンシング中国代表の張家朗選手が金メダルを獲得し、表彰式が行われました。
表彰式の様子は香港・觀塘のapmモールの大型スクリーンに映し出され、中国国歌が流れると梁恩寧被告は植民地時代の英国香港旗を取り出し、両手で掲げました。
近くにいた人からの通報により、警察は梁恩寧を逮捕しました。
香港嶺南大学歴史学科の劉智鵬教授は、「英国香港旗は、1997年に香港が返還されて以来、中断されており、被告が事件当時、英国香港旗を振ったのは国歌を侮辱する意図がある 」と述べています。
担当の判事は「当日ショッピングモールには1000人以上の人がいて、被告の行動は異なる立場の人たちの強い反応や暴力を誘発したかもしれず、その日に最も深刻な事態が発生しなかったのは幸運だった」と述べています。
同判事は、「被告は英国香港旗を持参していたが、これは明らかに用意周到なものであり、国歌を侮辱、蔑視している」とも語っています。
弁護側は被告が自閉症で、幼少時から特別な学校に通っていたことを訴えました。
弁護人は、被告が旗を振ることを他人に勧めたり、奨励したりしたことはなく、合法的に表現しなければならないことを今は理解していると述べました。
陳慧敏主席判事代理は、被告が英国香港旗を振ったことが立場の異なる人々の強い反応を引き起こした可能性があると指摘しました。
香港では2020年に国歌を侮辱することを禁止する香港国歌法が成立しており、違反者は最高で禁固3年、罰金5万香港ドルが科されます。
本件では、被告が有罪を認めたため、懲役3カ月になったとのことです。
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参考記事
<徳国之声>香港首例“侮辱国歌罪”被告遭判监禁3个月
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