中国メディアは最近、ブラジルやASEANなどの国々が貿易や金融取引の決済を人民元に切り替え、米ドルへの依存度を下げていると頻繁に報じています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
アルゼンチンも最近、中国との為替取引を開始し、中国の製造業から輸入した商品を人民元で直接支払うようになりました。これは米ドル覇権の衰退と中国の経済発展に対する信頼が反映されています。
しかし、アルゼンチンの民間金融筋は、これはアルゼンチンが輸出入の取引能力を維持するためであり、脱米ドルとは言えないと指摘しています。
アルゼンチンの経済新聞エル・クロニスタ紙によると、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領は3月、米ドルが経済全体に与える影響を減らすため、貿易を自国通貨で決済することを提案しました。
ブラジルのこの決定を受け、アルゼンチンは米ドルでの外貨準備高を維持するために、輸入のための人民元取引を開始し、4月の米ドル支出を半減させました。具体的には10億8700万米ドルに相当します。
アルゼンチンのセルヒオ・マサ経済相は、「人民元の使用により、今後数ヶ月間、アルゼンチンの中国製品輸入のペースが速くなる。また、三角貿易が増えて、アルゼンチンから米ドルが流出することも避けられるだろう」と述べました。
現在、アルゼンチンの通貨は乱高下しており、満期を迎える債務も多くあります。アルゼンチンの債務は米ドルで返済する必要があるため、米ドルを保有することは重要です。
アルゼンチンHeterodoxiaのコンサルタントであるNuni Hecht氏は、「中国が人民元での決済を提案したのは、アルゼンチンが中国製品を輸入する際の貿易を円滑にし、アルゼンチン中央銀行のドル在庫が底をつくという緊急事態を回避するためのもので、脱米ドル化ではありません」と述べています。
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4月に中国を訪れていたブラジルのルイス・ルーラ大統領が、習近平国家主席と共同声明のなかで、「自国通貨での貿易を強化する」ことを謳いました。
アルゼンチンが中国との貿易で人民元決済を始めたとするこの記事は、(識者が否定してはいるものの)基軸通貨としての米ドル覇権に風穴を開けるものと注目されても良い出来事です。
最近の中国の経済界では『去美元化(qu mei yuan hua)』(脱米ドル化)が流行語だそうです。
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参考記事
<自由亜州電台>阿根廷进口中国货以人民币结算 专家:非去美元化