世界経済フォーラムは、人工知能(AI)の急速な進化とChatGPTの出現により、今後5年間で雇用市場が劇的に変化し、5年間で推定1400万人の雇用が消滅する可能性があるという新しい調査結果を発表しました。 これに対し、バイドゥの会長兼CEOの李彦宏(ロビン・リー)は、「将来的にはより多くの仕事が生まれるだろう」と考えています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
「2023天津世界スマート大会」が18日に開催され、李彦宏氏は、「あらゆる技術革命は一部の仕事を消滅させるが、同時に、より多くの新しい仕事を生み出す」と指摘し、「人工知能は雇用の喪失につながるのではなく、世界経済の次の成長の奇跡をもたらす」と強調しました。
李彦宏は、「AIによって仕事がなくなるという心配はしていません。将来的には、より多くの仕事が生まれると思います」と述べ、「AIによって駆動されるスマートアプリケーションは、効率化をもたらすだけでなく、顧客体験を向上させる」と付け加えました。
李彦宏はさらに、これまでの100年間で世界の一人当たりGDPは少なくとも3.2倍になり、人間の生産性は大きく向上した」と述べ、「自動車が馬車に取って代わったことで、馬の所有者は失業したが、現在、自動車産業は世界最大の産業のひとつとなり、何億人もの雇用と産業を生み出しており、中国本土だけでも少なくとも3000万人が自動車関連の仕事に就いている」ことを例に挙げています。
また、李彦宏は、顧客とのコミュニケーションに最適な方法を持つ者が、より多くの顧客を獲得できることを念押し、「今日、人々は自然言語を使ってAIと対話することができます。思考が活発で、表現が明確であれば、機械はあなたのために働くことができます。人工知能の時代には、大量のAIネイティブアプリケーションが誕生します。たとえ70億人の顧客がいたとしても、その一人ひとりに、24時間オンラインで、すべてを知り、すべてをこなす専用のカスタマーサービスを用意することができます」と述べています。
世界経済フォーラムは、約800社を対象にした調査結果を発表し、「経済が衰退し、大手企業が人工知能などのハイテクを導入して労働力の代替や効率化を図る中、今後5年間で世界の雇用市場は大きな打撃を受ける」と述べています。
また、世界経済フォーラムは、2027年までに世界の雇用市場に少なくとも6900万件の新規雇用が追加される一方、8300万件の雇用が消滅し、5年後には現在ある雇用の総数の2%に相当する1400万件の雇用が消滅する可能性が高いことを明らかにしました。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
李彦宏氏がAI技術に期待している一方で、世界経済フォーラムはAI技術に警戒感を持っているようです。
私は、李彦宏氏と同様にAIに期待する1人なのですが、AI技術の進化にブレーキをかけようとしている人がいるのも事実です。
ただ、今のAI技術の欠点を明らかにして、使用法に注意喚起するのなら理解できますが、闇雲に嫌悪感を露わにした否定的な意見を見ると違和感しか感じません。
否定的なブログ記事や報道を読んでみると、『なんだかよくわからないから嫌』『変化するのが嫌』が見え隠れしているように感じます。わからないのなら、わかる努力してから嫌いになっても遅くないでしょう。
参考記事