黄大仙の blog

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人民元の対米ドルレートが大幅下落。 一時1ドル7.27元に。

人民元が対米ドルで急落しています。630日には人民元は対ドルで一旦7.268まで値を下げ、人民元202211月以来の安値を更新し、半年で10%下落しました。

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

人民元の下落が止まりません

  人民元28日のセッション中に対ドルで7.24の大台を超え、中国の大手国有銀行が人民元の下落を食い止めようと、スポット外国為替市場でドル売り介入を行いましたが、その後も下落を続け、30日には7.268まで下落が進みました。

 

  健行科技大学財務金融系の張鼎焕准教授は、「米連邦準備制度理事会FRB)は継続的な利上げを示唆しており、ドル高傾向はまだ続くだろう。中国本土の経済見通しはまだ明確ではなく、経済の転換点にある。 人民元に対する需要もそれほど強くはない。 この2つのトレンドの下で、人民元の切り下げが非常に重要になる」と述べました。

 

  張鼎焕准教授はさらに人民元切り下げの長所と短所を分析し、「サプライチェーンが離れ、製造業が東南アジア諸国に南下している。外部環境的には不利だが中国は依然として製造業ベースの生産拠点であり、人民元の切り下げは他の東南アジア諸国の輸出品と競争するのに役立つ。しかし、経済学が最も恐れているのは『将来展望』であり、もし今日の人々が悲観的な方向に進むと予想すれば、多くの投資は停滞するだろう」と述べています。

米ドル/人民元レート カップアンドハンドル(急騰のシグナル)を形成しそうなチャート Yahooファイナンスより



  人民元の対米ドル為替レートが切り下げられれば、米ドルでより多くの中国製品を買えるようになり、輸出には好都合だとの指摘もあります。

 

  しかし、「現在の世界経済の需要はまだ低水準にあるため、海外の顧客はより慎重になっており、為替レートの変動によって注文が大幅に増えることはない」とも語るビジネスマンもいます。

 

  過去10数年ほどは、中国人は株式投資や不動産投資に熱心でしたが、ここ数年は様子見の姿勢で、ポケットにお金を入れておくことを好むようになっており、これは深刻なシグナルです。

 

  通貨の切り下げが長期化するということは、その国の経済に対する信頼が低いことを意味します。

 

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  対ドルレートで人民元安が進行しているのは事実なのですが、人民元は日本円のような完全な変動相場制とは異なり、管理変動相場制をとっています。

 

  管理変動相場制とは人民元相場の基準値を当局が設定し、一日の許容変動幅に制限を設けるなど政府によって管理されたかたちでの変動相場のことです。

 

  このため、円安が日本の企業業績を回復させ、労働者の給与をあげたり、国家の税収が過去最高を記録したりと、日本を好景気にさせているのとは異なり、人民元安は必ずしも好景気には結びつかないようです。

 

  人民元レートが管理しきれなくなって、対ドルレートを下げざるを得なくなってしまうほど経済が痛めつけられているようです。

参考記事

<自由亜州電台>人民币一度失守7.27 分析:预期心理让投资望而却步

https://x.gd/aNQ4y