米インド太平洋軍司令官に就任したばかりのサミュエル・パパロ提督は、インド太平洋地域における中国の侵入的かつ拡張的な領有権主張は「非合法」であり、「強圧的、攻撃的、欺瞞的」であると述べました。
米国国営国際放送の美國之音の記事より。
パパロ提督は、ジョン・アキリーノ提督の後任として米インド太平洋軍の新司令官に就任した。 パパロ司令官は、ハワイの米インド太平洋軍司令部で行われた2人の引き継ぎ式でこのように述べました。「中国の行動は標準的なグレーゾーンの定義を超えている。」
パパロ司令官は、「私の友人であるフィリピン共和国国軍参謀総長のブラウナー将軍はグレーゾーンを再定義した。最初は無害で、よく見ると、それは非合法で、強圧的で、攻撃的で、欺瞞的だ」と表現しました。
米軍には6つの作戦司令部がありますが、インド太平洋軍司令部は最も歴史が古く、管轄権も最大であるだけでなく、最も重要な司令部であると認識されています。
ハワイからインドまで広がるインド太平洋軍の主な任務は、軍事領域で自己主張を強める中国を抑止することです。
パパロ司令官は、「私たちのパートナーとともに、インド太平洋軍は、国際的なルールに基づく平和を損なおうとする試みを拒否し、防御する準備ができています」と述べました。
ロイター通信は、パパロ司令官が言及した『侵入的で拡大的な主権主張』には、中国が歴史的権利に基づいて南シナ海で主張している九段戦の領有権主張が含まれており、南シナ海のほぼ全海域をカバーしていると指摘しました。
2016年7月、ハーグの国際仲裁裁判所は、フィリピンが提起した訴訟に対して、歴史的権利に基づく中国の南シナ海における九段戦は法的根拠を欠いているとの判決を下しました。
パパロ司令官は、「我々は同盟国やパートナーと協力し、故安倍晋三首相の造語である自由で開かれたインド太平洋を維持するため、合同チームで取り組んでいく」と述べました。
パパロ司令官は、「我々は、いかなる危機や紛争も平和的に解決するために努力するが、決してそうではない。我々はまた、我が国だけでなく同盟国やパートナーの平和、安全、安定、幸福を脅かすいかなる敵対勢力にも対抗する用意がある」と述べています。
パパロ司令官は米海軍に37年間勤務しており、サウジアラビアやアイスランドで米空軍のF-15C戦闘機パイロットとして勤務したり、アフガニスタンでは米陸軍の戦後復興支援活動に携わるなど、軍の他部門での勤務経験もあります。
彼と前任のアキリーノ前司令官はともに、トップ戦闘機パイロット発祥の地として知られる米海軍戦闘機兵器学校の士官候補生でした。
アキリーノ前司令官は4月末に、「中国が経済不況のさなかに国防費を増やしているのは憂慮すべきことだ。」と指摘しています。
先週発表された公式発表によれば、中国経済は今年第1四半期に前年同期比5.3%成長した。しかし、アキリーノ前司令官はこの数字の信憑性を嘲笑し、「中国経済がそんなに急成長できるのかとエコノミストに聞けば、『とんでもない』と言うだろう」と述べました。
アキリーノ前司令官は、中国は資産不況に苦しんでおり、経済成長率に関する中国の公式データは本物ではないと指摘し、「経済が低迷しているにもかかわらず、中国は軍事力拡張のための資金調達を意図的に決定している。私にはそれが心配だ」と語っています。
アキリーノ前司令官はまた、3月の中国全国人民代表大会の年次総会で中国当局が発表した国防予算の7.2%増という数字にも疑問を示し、実際の増額はもっと大きいと思うと述べています。
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中国の脅威は米インド太平洋軍には十分に認識されているようです。
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参考記事
<美國之音>新任美军印太司令:中国领土主权声索“非法”且具“欺骗性”