中国が南シナ海の係争海域で勝手に土地を埋め立て、主権を主張する動きが、再び国際世論の反発を招いています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
ロイター通信は、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領が10日に発表した声明を引用し、フィリピン沿岸警備隊が南シナ海の係争地域に船を派遣し、中国による「埋め立て」の可能性を監視していると伝えました。
フィリピン沿岸警備隊のタリラ報道官は、サビナショール(中国では仙宾礁として知られている)で小規模な埋め立て活動が行われているようであり、中国がその最も可能性の高い加害者であることを確認したと述べました。
周知のように、南シナ海のほぼ全域の領有権を主張する中国の動きは、長い間国際社会から拒絶されてきました。
中国が南シナ海のさまざまな地域や島々で領有権を争っている国や地域には、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、台湾、フィリピンが含まれます。
2016年ハーグの常設仲裁裁判所は、南シナ海に対する中国の広範な主張には根拠がないとの裁定を下しました。しかし、中国はこの裁定を受け入れることを拒否しているだけでなく、南シナ海の人工島や岩礁にミサイルを配備したり、軍用機の滑走路を建設したりして、この地域の緊張を引き起こしています。
これまでのところ、中国外交部と在フィリピン大使館は、この件に関するメディアの問い合わせに回答していません。
++++++++++++++++++++++++++++++
中国は、有名な九段線を南シナ海に引き領有を主張しています。九段線は海南島の南1500kmに伸び、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、インドネシアの排他的経済水域に食い込んでいます。
中国は、この線は歴史的な地図に基づいていると主張しています。
2016年にはハーグ国連仲裁裁判所が、『九段線に基づく中国の主権主張は国連海洋法条約(UNCLOS)違反であり、無効とする』と採決しました。
これに対して中国は猛烈に反発し、「裁定は無効であり、拘束力を持たず、中国は受け入れず、認めないことを厳粛に声明する」「南シナ海における中国の領土主権と海洋権益はいかなる状況下でも裁定の影響を受けず、中国は裁定に基づくいかなる主張と行動にも反対し、受け入れないものである」と宣言し、さらに2020年4月18日には南シナ海に行政区を設置し、領有権主張をますます強めてきました。
さらに中国は南シナ海に浮体式原子力発電所を配備する計画で、今後2~4年以内に完成すると予想されています。
仲裁裁判所には裁決に対する強制権がなく、当該国が裁決を守らなくても何もできません。
中国の南シナ海での好戦的で横柄な態度には毅然とした態度で望まなくてはいけませんが、中国は力のないものの意見になど聞く耳を持ちません。
フィリピンは中国に対しても怯むことなく毅然とした態度で臨んでいますが、中国のフィリピンへの嫌がらせもエスカレートしており、フィリピン船に対して中国艦船が放水銃で攻撃することもしばしば起きています。
参考記事
<自由亜州電台>中国疑在南海争议水域填海造地 菲律宾派船监视