フィリピンのエドゥアルド・アノ国家安全保障顧問は、23日に南シナ海の領有権を争う海域にあるセカンド・トーマス礁(中国では仁爱礁と呼ばれる)へのフィリピンからの補給を阻止するため、中国海警がフィリピン船を放水銃で攻撃し、フィリピン海軍兵士3人が負傷したことを明らかにしました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
アノ国家安全保障顧問は、損傷した船は乗組員がエンジンを再始動させた後、パラワン州に戻ったと述べ、フィリピンはセカンド・トーマス礁(仁愛礁)に駐留する部隊への補給を継続すると約束しました。
しかし、この事故で海軍兵士が負った負傷の程度については明らかにせず、船員はフィリピン沿岸警備隊の護衛艦内で手当てを受けたとだけ述べました。
フィリピン軍が23日に公開したビデオには、「中国海警」と書かれた船舶が放水銃を使い、並走していたフィリピンの補給船「ユナザ・メイ4号」に何度も放水している様子が映っていました。
尤娜扎五月四号享受水炮双飞服务,飞猴军方称“严重损坏”。圣经教导: 左脸被打,就要把右脸伸过去。 pic.twitter.com/SI0efnzHOq
— 乔华莘 (@qiaohuanxin) 2024年3月23日
フィリピンが中国側を「無責任で挑発的な行動」と非難した後、中国海警の甘宇報道官は、「フィリピンは前回の補給から18日後に座礁した船を撤去するという約束を反故にしている。」と述べました。
フィリピン揚陸艦シエラ・マドレ号は1999年以来、セカンド・トーマス礁(仁愛礁)に座礁しているが、甘宇報道官は、フィリピンのどの部局が、いつ座礁船を撤去すると約束したのかについては言及していません。
フィリピン国防省、外務省、軍の指導者たちは、中国側にそのような約束はしていないと繰り返し述べています。
フィリピン船「ユナザ・メイ4号」は3月5日にも、同海域で中国海警の放水銃により損傷し、当時フィリピン人乗組員4人が負傷しています。
中国海警と海洋民兵船がフィリピンの補給を妨害した事件は、国際世論の反発を一気に招いています。
国務省のマシュー・ミラー報道官は23日の声明で、米国は「3月23日に中華人民共和国が南シナ海でのフィリピンの合法的な海上作戦に対してとった危険な行動を非難し、同盟国であるフィリピンと共に立ち上がる」と強調しました。
ミラー報道官は、「中国の行動は地域の安定を損ない、明らかに国際法を無視している。米国は中華人民共和国に対し、2016年の国際法廷の最終判決を遵守し、その危険で不安定な行動をやめるよう求める。」と述べました。
ミラー報道官は、南シナ海におけるフィリピンの軍隊、船舶、航空機(沿岸警備隊を含む)に対する武力攻撃は、米比相互防衛条約第4条の適用範囲に含まれることを改めて強調しました。
南シナ海のほぼ全域の領有権を主張する中国の動きは、長い間国際社会から拒絶されてきています。
中国が南シナ海のさまざまな地域や島々で領有権を争っている国や地域には、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、台湾、フィリピンなどが含まれます。
ハーグの常設仲裁裁判所は2016年、南シナ海に対する中国の広範な主張には根拠がないとの裁定を下しました。
しかし、中国は判決を受け入れることを拒否しているだけでなく、南シナ海の人工島にミサイルを配備したり、軍用機の滑走路を建設したりして、この地域の緊張を高めているのです。
中国国営新華社通信の24日の報道によると、中国国防省の呉謙報道官は記者会見で、「もしフィリピン側が中国の底力に繰り返し挑戦するならば、中国は領土主権と海洋権益を断固として守るため、断固たる措置を取り続けるだろう」と述べました。
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中国は南シナ海に独自に九段線を引き、領有権を勝手に主張しています。
中国の南シナ海や東シナ海での傍若無人の行動を、日本のマスコミはほとんど報じませんが、放っておくと中国の好きにされてしまいます。
フィリピンは、マルコスJr.大統領が就任して以来、中国に対しては毅然とした態度を貫いており、日本の政府やマスコミもぜひ見習ってほしいものです。
参考記事
<自由亜州電台> 南海紧张局势升级 菲律宾确认三名水兵遭中方水炮击伤