フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、訪問先のオーストラリア議会で、フィリピンは地域平和のための戦いの「最前線」にいると述べ、中国との海洋紛争における支援を求めつつ、フィリピンが困難に立ち向かう決意を誓りました。
米国国営国際放送の美國之音の記事より。
中国の軍艦がフィリピンの沿岸海域で目撃される中、マルコスJr.大統領はオーストラリアの議員に対し、「フィリピンは今、『地域の平和を損ない、地域の安定を危うくし、地域の順調な発展を脅かす行動』との戦いの最前線にいることを自覚している」と述べました。
マルコスJr.大統領は、国の主権を守るために断固とした態度で臨むことを誓い、「いかなる外国勢力も、わが国の主権領土を1平方インチたりとも奪おうとすることは許さない」と述べました。
マルコスJr.大統領は、「我々が直面している困難は大変なものかもしれないが、それと同じくらい大変なのが我々の決意だ。 我々は決して屈しない」と述べました。
フィリピン当局は26日、スカボロー礁付近で中国海軍の艦艇を発見したと発表しました。中国は2012年にフィリピンからスカボロー礁を奪取して以来、海洋警察やその他の船舶をスカボロー礁周辺に配備し、フィリピン漁民が魚の豊富な水域に近づくのを妨げています。
中国は、スカボロー礁を含む南シナ海の大部分に対する主権を主張していますが、中国の主張には法的根拠がないという国際法廷の判決にもかかわらず、中国はこの判決を無視しています。
南シナ海は多くの国にとって戦略的に重要であり、重要な燃料や食糧、その他の物資を輸出入するための重要なアクセスを提供しています。フィリピンをはじめとする多くの国々は、この海域は自由で開かれたものであるべきだと考えているのです。
マルコスJr.大統領は、中国軍艦の配備は新たな「憂慮すべき」進展だと述べました。近年、中国は海軍力を急速に発展させ、広大な海域を掌握しており、自国の沿岸から遠く離れた場所でも軍事力や政治力を発揮できるようになることを望んでいます。
マルコスJr.大統領は、「世界の重要な大動脈である南シナ海を守ることは、地域の平和を維持するために極めて重要です。あえて言うならば、それは世界の平和にとっても不可欠なのです。」と述べています。
南シナ海における中国の攻撃的な姿勢に直面し、フィリピンは民主主義諸国との防衛協力を積極的に強化しています。
米比同盟の強化はもちろんのこと、フィリピンは日本との防衛協力にも乗り出しており、日比両国は現在、相互アクセス協定の交渉について早期に合意に達することを望んでいます。
この協定により、日本とフィリピンは互いの領土で合同軍事演習訓練を実施し、合同で警戒態勢や増援を行い、軍事協力の範囲をより迅速かつ効果的なペースで深化・拡大することが可能になります。
昨年11月、フィリピンとオーストラリアは南シナ海で初の合同空海パトロールを実施しました。
今年1月、フィリピンはカナダとの間で防衛協力に関する覚書に調印し、将来的には両国間の自主的兵力交換(VFA)協定につながる可能性があります。
フィリピンはベトナムとも、南シナ海での事故防止や、両国の海上警察部隊の協力範囲拡大に関するいくつかの協定を結んでいます。
フィリピン国軍のロメオ・ブラウナー参謀総長は先月、フィリピンが領土の一部と考えている南シナ海のフィリピン領の島や岩礁を軍隊の駐留に適したものにするため、フィリピン政府は軍事・生活施設を改善する用意があると述べました。
先週、フィリピンと米国が南シナ海での合同航空パトロールに乗り出した際に、中国軍は、「フィリピンが南シナ海をかき乱すために領土外の国を引き入れている」と非難しました。
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日本もフィリピンのように、中国の横柄な態度には毅然とした対応をとってほしいものです。
参考記事
<美國之音>菲律宾主权寸土不让 小马斯科称不会在南中国海的争端中退让