フィリピンが中国に対して、「南シナ海での挑発的な行動をやめ、国際法を遵守する」よう要求。米国がフィリピンの要求を支持することを表明。
米国国営メディアの美國之音の記事より。
フィリピン外務省は10日に、南沙諸島の同国の排他的経済水域内にあるアユンギン礁付近で、中国漁船が違法に操業し、さらに中国海警局の艦船がフィリピンの船を追尾したとして、中国に新たな外交的抗議を行いました。
過去6年間のドゥテルテ政権下に限って見ても、フィリピンは南シナ海での中国の活動に対し、300件以上の外交的抗議を行っています。
米国国務省は17日に、「米国はフィリピンの懸念を共有している」と表明しました。
国務省のネッド・プライス報道官は声明で、「我々は、第二トーマス礁付近の排他的経済水域におけるフィリピンの主権に対する中国の干渉とウィットソン礁での挑発的な船舶増強についてのフィリピンの懸念を共有している」と述べました。
プライス報道官は、さらに、「これらの行動は、南シナ海の主権主張者やこの地域で合法的に活動する他の国々に対する、中国の広範な挑発行為の一部である。」と述べました。
プライス報道官は、続けて、「米国は同盟国であるフィリピンと共に、ルールに基づく国際秩序と国際法で保証された南シナ海の航行の自由を守るために立ち向かう。」と述べています。
フィリピン政府は10日に、南沙諸島ウィットソン礁の近くのフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で、100隻以上の中国船が操業したと発表しました。
フィリピン外務省によると、「中国漁船や海洋船舶が無許可で徘徊・滞在することは、違法であるだけでなく、地域の不安定要因にもなっている」と述べています。
フィリピン外務省は中国に対し、国際法を遵守し、違法かつ無責任な行動をやめ、フィリピン海域にいるすべての中国船舶を直ちに撤去するよう促しました。
昨年も数百隻の中国船が集団で、同海域に何週間も滞留しており、 中国政府は当時、悪天候から逃れた漁船だと主張しましたが、フィリピン政府は当時、この地域に嵐はなかったと反論しています。
今年に入り、中国政府は5月1日から8月16日にかけて、南シナ海の北緯12度以北の海域で、全ての船舶に対し漁業を一時禁止する措置(漁業モラトリアム)を一方的に宣言しました。
これに対してベトナム政府がすでに抗議をしていますが、フィリピン政府も18日に、「フィリピンが主権を有する水域を対象としておりこの措置は認めない」との声明を発表、中国に抗議しました。
米国も、中国の一方的な漁業モラトリアム宣言は国際法に則っていないとしています。
|
参考記事
<美國之音>马尼拉与北京因南中国海再起争端,美国务院:支持菲律宾诉求
http*://bit.ly/3O7NNq2