ゼロコロナ解除後の中国の景気回復が停滞するなか、最近中国のインターネット上で「35歳の呪い」という言葉が流行っています。30代の多くの人々が失業、未婚、子なしという複数の打撃に直面しているということです。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
中国の雇用市場はとても弱く、職場における年齢差別が蔓延していると報じられています。中国政府でさえ、ほとんどの公務員職の採用年齢を35歳に制限しています。
2022年の婚姻届出件数は2021年から10.5%減少し、1986年にこのデータの公表を開始して以来最低となりました。中国の出生率も2022年には過去最低を更新し、1961年の大飢饉が終わって以来初めて人口がマイナス成長となりました。
38歳の梁さんは、ゼロコロナ対策で失業し、まだ結婚していなかったが、毎月600元(約1万2千円)の家賃を支払う余裕がなかったため、広州から実家に戻りました。彼は、政府や教師など安定した職に就いている人だけが、家庭を持つことができるとこぼします。
35歳の樊さんは、もともと上海のAI企業で働いていましたが、同僚の多くは彼と同じ独身で、結婚している同僚も子供はいなかったそうです。
連日の残業が続く中、樊さんは2021年の3ヶ月間、夜11時前に退社することができず、抗不安薬が必要な状態に陥ったそうです。
残念なことに、樊さんは昨年末、多くの同僚とともに会社を解雇され、彼は半年間で300社以上に履歴書を送りましたが、面接を受けられたのはわずか10社で、すべて不合格だったそうです。
現在、樊さんは以前より20~30%給料の安い仕事で、上海近郊の都市で職を探し始めています。
32歳の張さんは、中国企業は時勢に追従するのが好きで、従業員の経験や専門知識は必ずしも重視されないと言います。もともとマーケティングの仕事をしていた彼女は、昨年9月に解雇された後、3000社以上に履歴書を送りましたが、面接を受けたのは10社にも満たず、 先月、ようやく小さな会社に採用されたそうです。
「以前は昇進や昇給、より良い生活を期待していました。でも今は 生きていければそれでいい」と張さんは言います。
彼女も彼女の夫も、子供を育てられないと実感しており、「もし子供が、自分たちの労苦と貧しさを受け継ぐために生まれてくるのであれば、子供を産まないのは優しさだ」と語っています。
清華大学のエコノミスト王明源氏は、「今後数年間は中国において改革開放以来最も厳しい雇用情勢となり、雇用問題が解決されなければ、2028年までに18歳から40歳の失業者が約5000万人以上になる可能性があり、それが一連の深刻な危機の引き金になるだろう」と述べています。
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中国の不況は、日本で報じられている以上に悲惨なもののようです。中国の内需に期待して進出しようとする人たちもいるようなのですが、どのような勝算をお持ちなのか聞いてみたいです。
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参考記事
<世界新聞網>纽时:中国掀起35岁失业没结婚没孩子魔咒