中国北西部にある一流大学が、卒業の必須条件であった英語の試験を取りやめました。これを称賛する人々は、他の大学もこれに倣うよう要求しています。中国のネットユーザーは、「英語は重要だと主張する人もいるが、中国の発展とともに、もはやそれほど重要ではなくなった。 外国人が中国語を学ぶ番なのだ。」と主張しています。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
陝西省の省都西安にある西安交通大学は、学生が学士号を取得するために、全国的に標準化された英語の試験、あるいはその他の英語の試験に合格する必要がなくなったと発表しました。
このニュースはSNSの微博で波紋を呼び、多くの人々がこの決定を賞賛し、より多くの大学が同じことをするよう呼びかけました。2日間で、関連するハッシュタグは3億5000万ビューを超えました。
1987年に初めて実施された全国統一試験である大学の英語試験に合格することは、何十年もの間、中国のほとんどの大学で卒業要件となってきました。
この広範な慣行は、中国の大学が世界有数の学術・科学言語である英語を重要視していることを表しています。特に、毛沢東時代の文化大革命の混乱後、かつて閉鎖的で貧しかった中国が開放され、先進国に追いつこうと努力していた時期には、その重要性が浮き彫りになっていました。
しかし近年、一部の大学では英語の重要性を低下させ、国立大学の英語試験を独自の試験に置き換えたり、西安交通大学のように卒業基準としての英語の資格を完全に放棄したりしています。
「英語は重要だが、中国の発展とともに、もはやそれほど重要ではない」と、600万人のフォロワーを持つあるナショナリストのインフルエンサーは、大学の発表後に微博に投稿しました。そのインフルエンサーは、「外国人が中国語を学ぶ番になるべきだ 」と投稿しました。
米メディアのCNNによると、英語試験の取消は、『文化的自信』を高め、『西洋の影響』に抵抗するよう呼びかけている習近平政権のもとで、中国が国家主義的で内向き志向を強めている時期に行われました。
学校や大学では、教師が西洋の教科書を使ったり、民主主義や報道の自由、独立した司法といった『西洋の価値観』について話したりすることが禁止されています。
教室での英語教育も格下げされました。中国で最も国際的な都市である上海では、生徒の学業負担を減らす必要があるとして、当局は2021年に小学校での英語の期末試験を禁止しました。また、一部の議員や政府顧問は、学校や大学の入学試験で英語を主要科目から外すことを提案しています。
++++++++++++++++++++++++++++++
西安交通大学の卒業必須条件に、英語の試験が取り消しになったのは極端な例ですが、学校教育での英語の地位は低下しているのは確かな様です。
高考(中国の大学入試)のQ&Aでも、「 教育部が英語中止を正式発表したのですか?」との質問が掲載されていました。答えは「英語の試験は中止されませんが、英語の授業時間数の割合は中国語や数学などに比べて低いです。」でした。
教育部は、「英語教育の割合と試験の得点割合を減らす。英語学習は必要だが、それほど時間をかけたり、真剣に取り組む必要はない」と発表しています。
|
参考記事
<rfi>中国顶尖大学取消英语考试 能鼓动成轮到外国人学中文?
|