微博によると、河北省承徳市に住むプログラマーが、金盾(グレートファイアーウォール)越しに仕事をしたとして、警察に罰金を科せられ、「不法所得」を没収されました。この事件はすぐに世間の注目を集め、一部のコメンテーターは、当局の措置は深刻なものであり、金盾を乗り越えて本物の情報を得ようとするネットユーザーを牽制するものだと指摘しました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
9月24日、微博アカウント”2406409341”が中国の微博に投稿したメッセージによると、彼は金盾越しに遠隔操作するツールを使用したことで、「承徳市公安局から数百万元の罰金を科せられた」といいます。
この事件は、「金盾を乗り越えた」という理由で当局が科した罰則としては過去最も重いものだとネットユーザーから評され、世論の反発を招きました。
オランダ在住の反体制派の林生亮氏は、この罰則は中国のネットユーザーが金盾を越えて本当の情報を得ようとするのを抑止するためのものだと語っています。
林生亮氏は、「このような処罰は、当局による処罰や弾圧を恐れて、あえて金盾を越えることを選択しない人が増えるだろう。」と述べました。
処罰された男の弁明によると、2019年から2022年まで、男は金盾を乗り越えて会社の仕事をピックアップし、Zoomを使ってリモートで仕事をするためにgithubでコードを書いていました。
河北省承徳市の双橋公安局は、このプログラマーの行為が「国際ネットワークにおける違法なチャンネルの無許可の設立と使用」であると認定し、このプログラマーに行政処分を科し、罰金200元と「違法収益」105万元を没収しました。
中国のあるネットユーザーは微博で、「私はaの場所に住んでいて、bの場所で働いているようなものだ。 毎日車で通勤しているけど、車は車検を受けていなかった。ある日それが発覚したら、『出勤で得た収入は違法で没収されなければならない 』という罰を受けるのか？」と疑問を呈しました。
他のネットユーザーからは、「ちょっと面白いけど、従わなければならない」という反応もありました。
その後の投稿で、プログラマーは2022年9月、地元の治安当局が「コメントを大量に投稿しているツイッターのアカウント」が彼のものだと考え、彼に接触してきたことを明かしました。
しかし、彼は当局に対し、「自分は国外の会社で働いているだけで、個人的なツイッターは会社のツイートに「いいね！」を押したりリツイートしたりするために時々使っているだけだ。」と説明しましたが、当局は彼のスマホ、ノートPCやハードドライブを押収し、返却されたのは1ヶ月後だったとのことです。
彼の証言によると、彼は今年の4月と7月にも何度か警察に供述し、自分の仕事内容を詳細に説明し、支払いを受けるための銀行カード情報、会社がある国の登録情報、雇用契約書などを提供しました。
ツイッターについては彼は無関係であると判明しましたが、金盾越え行為は罰則の対象であり所得没収となり、今年8月、正式に処分決定が下されました。
処罰決定は、この人物の行為が「中華人民共和国コンピュータ情報ネットワーク国際ネットワーク管理暫定規定」第6条および第14条、「中華人民共和国コンピュータ情報ネットワーク国際ネットワーク管理暫定規定実施弁法」第7条および第22条第1項に違反していると認定しました。
規定によると、公安機関は警告を与え、最高1万5千元の罰金を科す権利を有し、違法所得があれば、違法所得は全て没収されます。
このプログラマーがアップロードした行政処分の決定書によると、彼は「国際ネットワーキングのための違法チャンネルの無許可使用」で200元(約4000円)の罰金を科せられ、違法収益として105万8000元(約2150万円)が当局に没収されたとのことです。
この罰則に関する当局の決定は国民の怒りを買いました。彼と連帯するネットユーザーたちは、環球時報の元編集長·胡錫進も金盾越しにYouTubeに自費出版チャンネルを開設して大金を稼いだことを例に挙げ、公安当局が調査に乗り出し、胡錫進のチャンネルの違法収益をすべて没収するよう強く要求しました。
胡錫進のYouTubeチャンネルは2020年4月18日に開設され、すでに687本の動画がアップロードされ、チャンネル登録者数は8万人以上、再生回数は1,139万617回となっています。注目すべきは、胡錫進のYouTubeチャンネルの「所在地」欄が「米国」と表示されていることです。
さらに、中国の外務次官補兼情報局局長の華春瑩もツイッターにアカウントを持っています。
Tweets by SpokespersonCHN x.com
華春瑩は中国のネットユーザーから質問を受けました。「あなたは金盾を越えて重大な法律違反の疑いがあります！すぐに北京市公安局に来て、調査·処分を受けてください！」
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胡錫進は、この事件に対して微博に、「もし処罰された人がソフトウェアを書くためだけに金盾を越え、政治的、思想的な問題が絡んでいないのであれば、この処罰はかなり疑わしい。この様な前例は社会的な疑念を増大させる。」と投稿しました。 しかし、この投稿は現在削除されています。
まさか、胡錫進も華春瑩も粛清されちゃうなんて無いですよね。たぶん。
参考記事
<自由亜州電台>中国程序员翻墙工作被罚上百万元 引发寒蝉效应
