中国のニュースサイトの記事によると、百度地図がイスラエルの存在を「消して」しまいました。中国外交部も定例記者会見でこの問題に対応し、公式地図には明確に表示されていると弁明しました。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
10月31日、中国のニュースサイト網易に、「百度地図上のイスラエルの存在を消す」と題する記事が掲載されました。
記事の中で、一部のネットユーザーが百度地図にイスラエルの文字が見当たらないと主張したため、筆者自身も見つけようとしたが見つけられなかったといいます。
中国外交部の定例記者会見で、ある記者がこの問題を取り上げ、関連する地図プラットフォームにイスラエルが表記されていないのは特別な理由があるのかと質問しました。
外務省の汪文斌報道官は、中国とイスラエルの間には正常な外交関係があり、イスラエルは中国当局が発行する標準地図に明記されていると述べました。
しかし、一部のネットユーザーは、百度地図モバイルアプリを使用してイスラエルを検索すると表示されるが、 百度地図のウェブ版にはイスラエルの名前は表示されないと指摘しました。
イスラエルのテルアビブ大学東アジア学部の張平教授は、「この問題は最近起きた問題では無い。知乎(中国のQ&Aサイト)で確認したところ、この問題は2018年の時点で提起されており、その時は高徳地図がパレスチナを表示し、百度地図はイスラエルを表示しただけだった。実際、高徳地図はその時ヨルダンのマークさえ付けていなかった。これらの民間地図はこの地域の表示を標準化していないことがわかる。」と述べました。
張平教授は、彼の見解として、「名称表示をめぐる論争があったため、民間の地図は、自分たちがトラブルに巻き込まれないように、単に地域の名称を隠しただけだ。」と述べています。
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網易に掲載された解説記事によると、百度地図や高徳地図でイスラエルを表示できない理由は、第一にイスラエルという国が小さすぎるためだとのことです。パレスチナとシリアの占領地を含めても、実際の支配地域はわずか2万5000平方キロメートルに過ぎません。
第二に、政治的理由があり、それはこの地域の領土所有権が未確定であるということです。イスラエルの実際の支配範囲は国連が示した「二国家解決」をはるかに超えていますが、国際社会はイスラエルによるパレスチナ領土の占領の合法性を認めていません。
『中国はイスラエルの存在を認めていないから地図から消した』といった偽情報がSNSを流れていましたが、真っ赤な嘘だということがわかりました。『イスラエル』も『パレスチナ』も5年以上前から表示されていませんでした。
ガザ戦争を仲介できる大国は中国しかないので、こんなフェイクニュースに惑わされず、仲介の労をとってほしいものです。そうすれば台湾武力侵攻なんて考えている暇もありません。
参考記事
<徳国之声>百度地图不显示以色列?