中国がグラファイトの輸出を制限し、グラファイトの独占を武器化すると発表したことを受け、マルコ・ルビオ米上院議員(共和党、フロリダ州選出)は11月3日、米国政府に対し、パートナーや同盟国と協力し、中国の主要鉱物への依存を終わらせるよう求める声明を発表しました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
声明の中でルビオ上院議員は、中国は世界のグラファイトのほとんどを生産しており、バッテリーからミサイルまであらゆるものの重要な構成要素であると指摘しました。
中国はこの資源へのアクセスを制限すると脅し、ガリウムとゲルマニウムの輸出制限と同様に制限します。
ルビオ議員は、グラファイトに対する制限を「中国がいかにサプライチェーンを武器化し、米国や同盟国を脅かしているかの最新の例。米国は、米国内に鉱山や加工施設を建設し、パートナーや同盟国と協力することで、主要鉱物の中国依存を終わらせる必要がある。」と呼び掛けました。
ルビオ議員は、「中国の今回の動きは、すべてのアメリカ人、特にアメリカのビジネス・リーダーに『中国は我々の敵だ』と警告すべきだ。」と付け加えました。
さらにルビオ議員は、「もし米国が製品の製造を中国に依存すれば、将来、より多くの資源へのアクセスが制限され、米国は敵対的な大国の支配下に置かれることになるだろう。 これは米国が最も避けたい立場である。」と述べました。
8月のガリウムやゲルマニウムといった重要なレアアース原料の輸出規制実施に続き、中国政府は10月20日、機密性の高いグラファイトの一部も規制対象に含めると発表しました。輸出規制は今年12月1日から実施されます。
ロイター通信は、これは中国当局が『国家安全保障』のため、世界の製造業における中国の支配的地位を維持するために、主要鉱物の供給をコントロールしようとしていると指摘しました。
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グラファイトは『黒鉛』と呼ぶ人も多くいますが、グラファイトは炭素(C)の同位体で、鉛(Pb)を一切含んでいません。誤解を生じさせないため、当ブログでは『グラファイト』で統一しています。
レアアースの禁輸、ガリウム、ゲルマニウム、グラファイトの輸出規制、日本産水産物の輸入禁止、台湾産パイナップルの輸入禁止、オーストラリア産ワインの輸入規制、などなど、中国が貿易規制を武器に他国に圧力をかけるのは日常茶飯事になっています。
輸入も輸出も中国に頼ることが、とても危険なことはわかりきっています。
参考記事
<自由亜州電台>中国限石墨出口 美参议员鲁比奥发声明吁结束对华依赖