黄大仙の blog

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中国製電気自動車(EV)は今年、欧州市場の25%を占める見通し

欧州のシンクタンク『輸送と環境(T&E)』の統計によれば、『中国製』電気自動車は、今年欧州における電気自動車販売の25%を占めると予想されています。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

欧州で販売されるEVの4分の1が中国製に?

  EUの指導者たちは、2035年には自国の領域で電気自動車が義務化されるという決定に対して批判を強めています。

 

  T&Eによれば、2023年にEUで販売されたEVのおよそ19.5%が中国製でした。今年2024年はさらに5.5ポイント増加し、25%を占める見通しです。

 

  自動車コンサルタント会社イノヴェヴ(Inovev)2023年半ばの統計によると、2023年前半に欧州で販売された中国車(EV含む)8%が中国ブランドによるもので、2021年の4%、2022年の6%から増加しています。

 

  アリアンツの調査によると、2025年までに少なくとも11車種の中国製EVが新たに欧州で発売される予定です。

 

  この傾向は欧米の自動車メーカーに不安を与えています。例えば、ステランティス・グループのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は先月、コストパフォーマンスの高い中国のEVがヨーロッパを「侵略」していると述べています。

 

  しかし、ステランティス・グループもまた、製造コストと価格の削減を計画し、独自のEVラインナップで反撃しています。

 

  T&Eによると、リチウムイオンバッテリーセル(最も一般的なもの)は欧州メーカーより20%以上安く、中国の製造チェーンは欧州より進んでいるため、中国製自動車への関税だけでは侵略を食い止めるのに十分ではありません。

 

  調査によると、中国製EVへの関税を25%引き上げると、中型セダンやSUVは欧州製よりも高くなるが、中国製のコンパクトSUVや大型車は若干安い。したがって、これらに対抗するには、優遇措置や規制によって欧州メーカーにEVの増産を促すしかない。T&Eは、将来的に中国産のバッテリーに関税が課される可能性があります。

 

 

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  中国では不動産不況に端を発した経済不況により、国内の自動車の需要が鈍化し、自動車メーカーは過剰な生産能力を抱えています。

 

  上海のコンサルタント会社によると、中国の自動車過剰生産能力は年1000万台と推計されており、これは2022年の北米での自動車生産台数の3分の2に相当し、2022年の日本での新車販売台数420万台の2.4倍に相当します。

 

  過剰生産能力を稼働させるためにも、欧州は中国自動車ブランドにとって重要な輸出市場となっています。

 

  欧州が中国車に関税をかけても、中国は輸出補助金や、生産助成金などあらゆる手を使って安く中国車を輸出してくることでしょう。

 


 

参考記事

<rfi>中国制造的电动汽车今年将占据欧洲市场25% 的份

https://x.gd/FS4lG