前バンバン市長アリス・グオと中国の犯罪組織との関係疑惑の調査を担当しているフィリピンのリサ・ホンティベロス上院議員は9月20日、グオがスパイ活動に関与している可能性を排除できないと述べました。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
フィリピン国籍でタルラック州バンバン市長に立候補し、その正体が中国籍とされるアリス・グオは、市長だったバンバン市でオンラインカジノを盛んにさせ、職権を乱用した疑いで接待などの刑事責任を問われています。
「アリス・グオが関与していないとも、彼女に関係する人々がスパイ行為に関与していないとも、まだ結論づけることはできない」と、ホンティベロス上院議員はに外国人記者に語っています。
バンバン市でのカジノの手入れ中に警察当局がアリス・グオの一部所有地の施設で不正行為を発見したため、ホンティベロス上院議員が率いるフィリピン上院委員会が今年5月に調査を開始しました。
以前の公聴会で、ホンティベロス上院議員はアリス・グオが中国の『資産』であるかどうかを質問しました。
フィリピン生まれの市民だと主張するアリス・グオは、自分がスパイであることを否定し、彼女に対する他の疑惑も悪意があると言って否定しています。
最近、南シナ海をめぐる中国とフィリピンの紛争がエスカレートしていることから、フィリピンでは中国の諜報活動に対する疑念が高まっています。
在フィリピン中国大使館とアリス・グオの弁護士は、ホンティベロス上院議員の発言についてコメントを求めたが、すぐには回答はありませんでした。
裁判所は、20日に予定されていたアリス・グオの罪状認否を延期し、その間にアリス・グオに対する訴えを却下するよう求めるアリス・グオの要求を裁判所が決定することになりました。アリス・グオはマスクと防弾ヘルメットを着用して出廷しました。
2022年からバンバン市長を務めていたアリス・グオは、先月、重大な不正行為により罷免されました。
アリス・グオはまた、フィリピン司法省からのマネーロンダリング容疑にも直面しています。
フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領は、ギャンブルが違法である中国の顧客をターゲットにしたオンラインカジノ事業が、どのように犯罪圏に関与しているかを公表するようアリス・グオに求めました。
中国側は、フィリピン政府が「POGO」と呼ばれるオンラインカジノ事業者を禁止する前に、国境を越えたギャンブルの取り締まりを優先してオンラインカジノを禁止するようフィリピン政府に求めていました。
「フィリピンのPOGOやアリス・グオのような人物の台頭の場合、フィリピン国民だけでなく、世界中の国民に危害を加える多国籍犯罪集団との間に、数多くの深いつながりがあることがわかりました」とホンティベロス上院議員は述べました。
ホンティベロス上院議員は、「これはフィリピンをはるかに超えている」と指摘し、フィリピン上院の関連調査は「表面をかすめたに過ぎない」と述べました。
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当初は中国系フィリピン人と伝えられていたアリス・グオですが、経歴には不審な点が多く、病院での出生記録や学校への通学記録がなく、捜査当局が指紋を調べると、中国福建省出身で2003年にフィリピンに入国した「郭華萍」という中国人女性のものと一致し、アリス・グオは中国スパイではないかと疑義が生じています。
郭華萍という中国人女性がフィリピンに潜入し、アリス・グオを名乗ってフィリピン人として生活していたと疑われています。
フィリピンのSNSでは、「中国のスパイに派手な浸透工作を許した」「市長をさせたのは国の恥」などと、怒りの声が飛び交っています。
参考記事
<rfi>菲律宾参议员:不排除郭华萍是中国间谍的可能性