6月から降り続く豪雨は中国各地に水害をもたらし、
中国南部27の省で3385万人が被災しました。
経済的損失も1兆円を超え、
水没した農地は298.3万ヘクタールを超えています。
鎮静化していた三峡ダム決壊説も再び囁かれ始めました。
長江流域が梅雨入りしたのは6月初旬の頃です。
雨はそれ以前から降り始め、7月中旬の今でも降り続いています。
梅雨明けの気配もなく、降り続く雨は長江流域の各地に
洪水の被害を起こし、被災者も3385万人に達しました。
今までの大量の降雨で河川は警戒水位を超え、
土壌の地下水は飽和状態に達しているのに、
天気予報では長江流域はまだ大雨が降り続く予報です。
決壊すると言われ続けていましたが、
決壊しない様に放水していましたので大丈夫でした。
放水量は毎秒28000立方メートルだそうです。
これだけ聞いてもピンときませんが、
1日で24.2億立方メートルの放出量となり、
これは琵琶湖の貯水量247億立方メートルのおよそ1/10です。
つまり琵琶湖を10日間で空っぽにする水量を放出し続けていたわけです。
巷では三峡ダム決壊説が流布されてきましたが、
私は一貫して決壊はあり得ないと主張してきました。
中国長江流域で豪雨、重慶で洪水発生、三峡ダムの貯水量は危険水位を超えた、大丈夫か? - 黄大仙の blog
インド軍による破壊ならあるかもね?とは言いましたが。。。
崩壊寸前と言われる三峡ダム 洪水ではなくインドが破壊する? 微博で話題に - 黄大仙の blog
三峡ダムはこれだけの放水量によって決壊を防いできたのです。
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決壊した場合に見積もられている4-6億人の被害よりはマシだと言うことです。
先ほども言った様に、これからも雨が降り続く予報が出ています。
ところが、三峡ダムの放水量は減っているらしいのです。
7月8日までは毎秒28000立方メートルでしたが、
9日25000、10日22000、11日19000立方メートルと減らしてきました。
これは一体どうしたことなのでしょうか?
長江が南京から上海に注ぐ地域の南側は、昔から江南と呼ばれ、
春秋戦国の楚の時代以前から穀倉地帯でした。
(項羽と劉邦、四面楚歌で有名な楚の国です)
近年は上海という世界最大の国際都市を中心に、
無錫、蘇州、嘉興、平湖などが工業地帯として発展し、
江南デルタとも呼ばれ、日本の企業も多く進出しています。
三峡ダムの放出量を下げたのは、
江南デルタの被害を最小限に抑えるためなのでしょう。
長江下流域では、人や設備を避難させたり、
農地を守るための作業を行なっていると思います。
今後も雨が降り続けば、三峡ダムは放水量を再び増やして、
下流域の都市は洪水の被害を抑えながら生活してしていくと思います。
長江流域は毎年洪水に襲われ、被害も少なからず出ますが、
そこに暮らす人々は結構タフです。
多少の洪水は生活の一部の様です。
<水没した市街地>
<洪水の中で肉を売る人、買う人(スマホ決済利用中)>
<床上浸水のレストランで会食>
<洪水の中麻雀する人たち>
<洪水の中荷物を届ける宅配便(多分出前)>
<冠水した道路を渡る女性>
逞しい人たちばかりです。日本人も見習いましょう。
以下は、多維新聞というアメリカのニューヨークに
拠点を置く中国語メディアの報道です。
台湾メディアが三峡ダムの安全性に疑問を呈し、
決壊した場合の莫大な被害を想定し、
不安を煽っていると伝えています。
+++多維新聞+++
[原題] <多維新聞>中国南方27省遭遇洪灾 3385万人次受灾[图]
[邦訳]<多維新聞>中国南部27省は洪水に遭い3385万人が被災した
中国南部の多くの地域で洪水が猛威をふるい、中国緊急管理部の公式ウェブサイトの情報によると、7月10日14時現在、中国南部洪水災害によって、浙江、安徽、江西、湖北、湖南、広東、広西、重慶、四川、貴州など27省(区、市)、3385万人が被災し、141名が死亡行方不明であった。
中国中央電視台CCTVの報道によると、洪水被害により、195.8万人が避難し、81.5万人が緊急生活救助が必要で、2.3万人が家屋倒壊、26.9万人は様々な損壊をうけ、農業被害面積は298.3万ヘクタール、直接経済損失695.9億元である。
しかし、公式メディアの報道は、過去5年の同時期の平均と比較して、洪水の影響を受けた人々の数、災害で行方不明になった人々の数、倒壊した家屋の数、直接的な経済的損失は、それぞれ17%、50%、75%、23%減少したことを強調した。
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中国天気網気象分析士の張娟は、今年の梅雨の降雨は「暴力的」であるだけでなく、入梅時期が平年よりも6日から11日早く、6月1日には江南区が先に入梅し、長江中下流域は6月9日に同時に入梅し、江淮地区は6月10日に入梅したと述べた。
気象専門家は、7月以降も長江中下流域は豪雨が降り続き、この一帯には7月上旬の降雨帯が維持されており、雨量は平年同時期に比べて大幅に増加し、土壌は飽和状態に近く、多くの河川は警戒水位を超え、土砂崩れや鉄砲水の被害が頻発していると警告している。
さらに、中国水利部門の予測によると、監利以下の長江中下流域の洞庭湖、鄱陽湖、太湖の水位は上昇し続け、湖北、安徽、江蘇延江の河川と湖は高い水位が続いているため、現地の洪水圧力は小さくない。
その中で、湖北省緊急管理庁は、7月4日以降の豪雨により、湖北省の12市(州、直轄市)56県(市、区)623.09万人が被災し、15人が死亡した。湖北緊急移転処置23.15万人、緊急生活救助必要者39.42万人、家屋倒壊3450戸、5639戸が深刻な損害を受け、直接的経済損失は125.32億元になると報じた。
中国緊急管理部の情報では、6月以降、長江、太湖流域など南部地区は豪雨が続き、長江本流、洞庭湖、鄱陽湖、太湖流域と周へん河川の水位は上昇を続け、中小の河川、中小の貯水池、民垸(川や湖に囲まれた畑、垸の周囲は堤防で囲まれ、垸には干拓した人たちが住んでいる)は、危険な状態が続いている。
中国気象部門の予測によると、7月13日以降、降雨帯が再び長江中下流域に南下する可能性がり、治水状況は厳しい。
中国南部の水害の報道とともに、三峡ダムの変形や決壊の噂さえも復活している。
2020年6月21日CCTVファイナンスの報道によると、「最近の豪雨の影響で、三峡ダム貯水湖の水位は上がり続けている。現在ダムの水位は147メートルに達し、洪水生業限界推移を2m超えた。」過去10日間、中国国務院情報局は広東、広西の2つの小型ダムが6月の洪水期間に決壊したと報じた。このため、三峡ダムの安全性の問題が再び注目されている。
中国大陸のいろいろな危機論などネガティブなニュースに常に関心を示している一部の台湾のメディアはすぐに「棒で蛇を叩く」ことにした。6月22日、台湾財経のホスト黄世聪は東森ニュースチャンネルの「重要な瞬間」で次の様に分析した。「もし三峡ダムが決壊したら、洪水は数時間で宜昌を壊滅し、1日で武漢や南京を含む長江中下流域を破壊し、上海を水没させる。」
<多維新聞>中国南方27省遭遇洪灾 3385万人次受灾[图]
+++多維新聞+++