「南泥湾」とは中国陝西省延安市の南部にある地名です。「南泥湾プロジェクト」は、日中戦争当時に日本軍による攻撃と国民党による封鎖を受けて、経済的苦境に立たされた中国共産党が、延安市南泥湾の荒地を開墾して窮地を脱した故事に因んで名付けられたプロジェクトで、米国の制裁によって窮地にあるファーウェイが、米国技術を使わずに製造を進めることによりサプライチェーンの米国離れを加速することを目的としています。
自分の身に降りかかった困難を耐え忍び、事態の好転を待つ(打開を図る)ことを、中国では「長征」の2文字を使うことが多いです。
「長征」は中国共産党が1934年から1年かけて江西省瑞金から陝西省延安までの2万5千kmを行軍した故事によるもので、苦難に耐えたことだけでなく、長征中の遵義会議で毛沢東の指導権が確立したことで、中国共産党の偉大な歴史として語り継がれている故事です。
米国の制裁という苦難に耐えると言う意味では長征プロジェクトと名付けてもいいと思うのですが、ファーウェイがプロジェクトの名前に長征ではなく、南泥湾を使ったのは何か別の意図もあるのかもしれません。
米国のソフトや技術を使って開発、製造した半導体をファーウェイとその子会社に供給することを禁止する制裁処置は、ファーウェイは強がりを言っていながら、スマホ用のチップはもうすぐ在庫切れになるとの話も伝わってきています。
米国制裁は効いてない!チップ供給に問題なし!ファーウェイ上半期の出荷台数は1億500万台 中国網伝える
米国制裁は効いてない!チップ供給に問題なし!ファーウェイ上半期の出荷台数は1億500万台 中国網伝える - 黄大仙の blog
ファーウェイのスマホのことは日本のメディアでも報じられますが、ファーウェイの製品は、ノートPC 、スマートディスプレイ、IoTホームスマート製品が数多くあり、これらの製品は米国の制裁の影響を受けないのでしょうか?
ノートPCで使われているCPUはintelまたはAMD製だそうです。intelもAMD米国企業ですから、これらの企業からファーウェイへの供給は停止される可能性が高いです。ノートPCビジネスが継続できるか不透明です。
ファーウェイのスマートディスプレイで使われている半導体は、ハイシリコンと言うファーウェイ子会社で設計しています。しかし製造はTSMCまたはSMICで行っており、これらの企業の製造チップは、米国の技術、設備、原材料を必要としています。
スマートディスプレイの表示部はBOE製のOLEDを採用していますが、BOE製のOLEDは材料やプロセスは米国関連技術ですので、制裁対象です。
このためスマートディスプレイも作れるかどうか不透明です。
これだけの苦難を南泥湾プロジェクトはどうやって打開していくのか、かなり難しく思えますが、中国共産党、人民解放軍の全面的なバックアップによって成長してきた大企業のファーウェイですから、必ずや生き残っていくと期待しています。
参考資料
被断供芯片,任正非又打出“南泥湾”计划反击,华为野心有多大?
http*://bit.ly/3ldBUAO10
华为的“南泥湾”计划靠谱吗?
http*://bit.ly/31gsGvJ
ファーウェイ、ひっそりと新プロジェクト開始 米国技術からの自立を加速
「いたたた...!」エルセーヌのエステ体験行ってみた!【画像あり】
http*://bit.ly/329rlWJ