インドでは新型コロナの流行が制御不能に陥り、累積死亡者数が20万人を超え、1日の新規感染者数が30万人を超えました。医療資源が絶望的に不足しているため、米国は、防疫物資、ワクチン製造資材、酸素製造装置、医薬品などをインドに送り込んでいます。
インドでは、新型コロナの第2波が発生し、28日には新規感染者数が36万人超、死者数が3000人を超えました。
インドの公式統計では累積感染者数は1800万人、累積死亡者数は20万人を超えています。専門家は、実数はこれを遥かに超えていると考えています。
医療現場は崩壊状態にあり、病院はすでに過密状態で、ベッドや薬、酸素が手に入らず、病院の外や自宅で亡くなる患者も少なくありません。
インドの首都ニューデリーでは、遺体の上に薪を乗せて火葬する「にわか火葬場」が出現し、外には火葬を待つ遺体が行列をなしています。
ウジャラ・シグナス・ホスピタル・グループの設立者であり会長のシュチン・バジャイ氏は、「インドの現状は外界が想像する以上に悪く、毎日500件以上の電話があり、ベッド、酸素、援助者を求めています。」と語っています。
バジャイ氏は、インドで新型コロナが大流行している原因を、「インドは人口が多く、人口密度の高い都市や地域が多いこと、変種ウイルスの発症が横行していること」を挙げています。
現在の新型コロナは感染力が強く、感染するとすぐには回復しないため、医療システムへの負担が大きくなり、集中治療室の需要が大きく増加していると、バジャイ氏は述べています。
インドでの流行が緊急を要するため、いくつかの国が重要な物資の提供を申し出ています。
バイデン米国大統領は、インドのモディ首相との電話会談で、米国はワクチンをできるだけ早くインドに送ること、また、ワクチン製造に必要な機械の部品をインドに提供すると述べました。
台湾の総統府報道官であるKolas Yotaka(葉冠伶)氏は、今週、台湾からインドへ酸素吸入器の出荷が行われましたことを発表し、「 私たちは同じ船に乗っているのだから」とインドの人たちを励ますツイートをしました。
イギリスからは人工呼吸器や酸素濃縮器などの医療機器が到着しており、オーストラリア、ドイツ、フランス、アイルランド、欧州連合(EU)も、インドの危機への支援を約束しました。
世界的な信用格付け機関であるS&P社は、インドで発生した第2波が経済の回復を妨げ、他の国々を新たな流行発生のリスクにさらす可能性があると指摘しています。
また同社は、一般的にワクチン接種率が低いアジア太平洋地域は、インドからの感染力の高いウイルスの変異種に対して、特に脆弱であると考えています。
いつもなら中国が大量のワクチンを送り、ワクチン外交を展開するところですが、不思議なことにインドに対しては中国の動きは見られません。
[あわせて読みたい記事]
参考記事
<自由亜州電台>疫情恶化的印度成美中外交新战场 美国略胜一筹
http*://bit.ly/3xt0rIh
<徳国之声>印度新冠死亡人数破20万 多国急伸援手
http*://bit.ly/3gNphwg
http*://bit.ly/32XFpTX