中国河南省鄭州市の京広北路トンネルが大雨で冠水し、4人が死亡、200台以上の車が水没したと公式統計で発表されました。京広北路トンネル関連の作業はすべて人民解放軍に引き継がれ、被害の実態は国家機密扱いとなっています。
台湾メディアの中央通訊社と自由時報の記事から。
河南省鄭州市は16日から大雨に見舞われ、京広北路トンネルが冠水し、当局は救助活動の結果、4人の犠牲者と200台以上の車両がトンネル内で発見されたことを発表しました。
京広北路トンネルでは、半年前に排水設備はオーバーホールされたばかりで、排水設備、消防設備、電気設備などの補修工事が行われていました。2ヶ月前には洪水対策の訓練も行われましたが、災害を回避することはできませんでした。
京広北路トンネルは、「雨季に地面からトンネルへの水の逆流を最小限に抑える」ために、トンネルの入り口に遮水スロープが設けられ、トンネル内の浸水が一定の深さに達すると、自動的に作動して排水できる、2つの排水ステーションを設置していましたが、豪雨の前では全く役に立ちませんでした。
京広北路トンネルは、2015年にトンネル内で20cmの浸水問題が発生しており、その原因は排水ポンプの不具合と異物による排水管の閉塞でした。この時はすぐに補修が行われ、翌2016年の大雨の時には浸水はありませんでした。
京広北路トンネルの大規模改修は今年1月から始まっており、当初はすべての改修工事が完了するのは7月末頃に予定されていましたが、その後、夜間の工事期間を調整して完成時期を6月末に早めました。
鄭州市当局は改修工事のほかに、今年5月には洪水シーズンに備えて「トンネル洪水緊急訓練」を、京広北路トンネルで実施していました。
鄭州市当局は、今回、京広北路トンネルの水が急速に溜まったのは、「大雨で市内全域に水が溜まり、トンネルが周囲の路面よりも低くなっていて、降雨だけでなく、周囲の道路からフェンスを伝って溢れ出た大量の水を負担し、開放部からトンネル内に注ぎ込んだため」と説明しています。
京広北路トンネルの救助作業には人民解放軍が投入され、地元の救助隊は完全に排除されました。これは、この事件が国家機密のレベルになった可能性があることを意味します。
公式発表では、『4人が死亡、200台以上の車が水没した』となっていますが、信じている人はいません。
浸水直前のトンネル内には立ち往生した自動車が、びっしりと並んでおり、水没車が200台程度で済んだとは思えません。
中国国内メディアの記事によりますと、京広北路トンネルは全長1835mで、そのうち地下トンネル部が1360m、開放部475mあり、全域が水没しました。
京広北路トンネルの長さについては、Twitter上では4kmとしているツイートばかりなのですが、中国メディアは全長1835mとしていますし、百度地図で計測しても1835mしかありませんでした。
台湾自由時報は、被害者は少なく見積もっても6000名以上と報じており、深夜に遺体らしきものを積んだ解放軍のトラックが、近所の住民に撮影されSNSにアップされていました。
人民解放軍による現場での救助作業は終了していますが、上流にあるダムの事前通告なしの放水が原因だと噂される、鄭州市の大洪水の真相が明らかになる日は来るのでしょうか?
トンネルの完全復旧は、大きなダメージを受けた、電力供給·配電システム、照明システム、消防システム、通信システムなどの修復後になり、いつ開通できるかは見通せないとのことです。
参考記事
<中央通訊社>京广隧道半年前整修排水系统 仍挡不住大雨酿灾
http*://bit.ly/3y8dzSM
<自由時報>解放軍全面接手!京廣隧道傳已挖出6000遺體 真相恐成「國家機密」
http*://bit.ly/3y914X6
<百度新聞>逃出郑州京广北路隧道
http*://bit.ly/2VcG9no