中国河南省の暴雨は、7月18日から21日の間に、鄭州、登封、新密、滎陽、鞏義の5つの観測所で、1日の降水量が気象記録以来の降水量を記録しました。甚大な被害を出した中国河南省の豪雨被災者に向かい、台湾の蔡英文はお悔やみと心配の言葉を伝えました。
米国ニューヨークに拠点を置き、中華人民共和国の政治ニュースを専門的に扱う多維新聞の記事より。
鄭州の観測所では、7月20日16時から17時の間に201.9mmの降水量を記録し、中国での1時間当たりの降水量の最大値を超えました。
稀に見る豪雨が続いた結果、鄭州市では深刻な洪水が発生し、鉄道、高速道路、民間航空の交通に深刻な影響を与えました。 7月23日現在、この豪雨による被災者1100万人以上、直接の経済損失は650億人民元(約1兆1千億円)に達しています。
7月21日に、台湾総統府の張敦涵報道官は、台湾の蔡英文総統の「亡くなられた方とそのご家族に哀悼の意を表するとともに、被災地が一日も早く災害から回復し、通常の生活を取り戻すことを期待しています。」とのお悔やみと心配の言葉を伝えました。
連日の報道の通り、中国大陸では異常気象の影響で、ここ数日連続して大雨が降り、その範囲が拡大しており、多くの地域で災害や死傷者が出ています。
台湾の大陸委員会は、大陸の被災者や負傷者に哀悼の意と関心を示し、被災者の安全と健康、そして被災した家屋の一日も早い再建を願い、今後も状況に注意を払っていくと発表しています。
台湾の対中交渉窓口機関である海峡交流基金会(SEF)では、現地の台湾人駐在員と連絡を取り、状況を把握に努めているとのことです。
台湾の有識者によると、以前は同様の弔辞が大陸委員会や海峡交流基金会などの単位で出されたことはあったが、今回は総統からの直接の言葉であり、他国に先駆けて発せられており、台湾から中国本土への友好の意であると見ています。
この有識者は、「気候変動の問題が徐々に国際的に注目されるようになった今、台湾海峡両岸は将来的に気候変動や自然災害などの問題で協力できるかもしれない」と述べています。
蔡英文総統が主席を務める台湾民進党は、「92コンセンサス」を国民党が提唱したために、台湾が国際舞台で傍観されなければならなくなったと国民党を批判しています。
これに対し、大陸の台湾事務弁公室の馬暁光報道官は、「民進党は92コンセンサスを否定し続けており、両岸関係の改善に向けた誠意がない」と指摘しています。
中台関係は、台湾は新型コロナを『武漢肺炎』と呼ぶことにこだわり、中国は台湾がワクチンを購入することを妨害したり、決して良好な状態とは言えません。
これは、中国にとって、一国主義を具現化した「92コンセンサス」を堅持することが、両岸関係を緩和し、さらには改善するために必要であることを示しています。
台湾蔡英文総統から中国暴雨被害者への、直接のお見舞いの言葉が、中台両眼関係の緩和に結びつくのかは、今後の展開を注目していきたいと思います。
しかし、河南省の異常豪雨とほぼ同時に、7月19日には米軍のC-130輸送機が台湾の桃園空港に着陸しました。 米軍機が台湾に着陸するのは、ここ1ヶ月半の間に3回目となります。
中国本土はこれに強い反発を繰り返し表明し、中国人民解放軍は厳戒態勢を敷き、あらゆる必要な措置を講じて「台湾独立」の試みを断固として粉砕するとの厳重な警告を発しています。
中国本土は、台湾民進党が「独立のために米国に依存し、統一を拒むために軍に依存する」という姿勢を完全に捨てなければ、数回の「挨拶」が両岸の平和への究極の近道にはならないと表明しています。
『外交とはテーブルの上で握手し、テーブルの下で蹴り合う事』と言われますが、両岸関係で中国と米国·台湾が繰り広げているのが『外交』ですね。
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参考記事
<多維新聞>蔡英文慰问河南暴雨受灾民众 她是否嗅到台海战争的硝烟味
http*://bit.ly/3i0fGTd