米軍軍用機のC-130が7月19日に、台湾桃園空港に着陸しました。米軍機が台湾の空港に着陸するのは、この1ヶ月半の間で3回目になります。中国環球時報の名物編集長胡錫進の反応は意外なほど大人しいものでした。
アメリカに拠点を置く中国語メディアの希望之聲の記事より。
フィリピン·マニラ空港を出発した米国軍用機のC-130が、7月19日正午に台湾桃園空港に着陸し、 駐機中に木箱に入った荷物を降ろした後に、午後2時に台湾を離れました。
荷物の内容は明らかになっていませんが、米国在台湾協会宛の外交貨物とのことです。
中国側の反応は、環球時報の胡錫進編集長が、「彼らは台湾への米軍輸送機の着陸を正常化しようとしています。これは非常に深刻な挑発です。」とコメントしただけで、中国政府からは何もコメントは出されていません。
米軍軍用機が台湾に着陸したのは、ここ1ヶ月半で3回目になります。
6月6日には米軍輸送機C-17が、3名の上院議員を含む訪問団を乗せて台湾松山空港に到着し、上院議員は空港内で蔡英文台湾総統と会談し、ワクチンの供与を発表しました。
当時、胡錦濤も「いつ、どのように癇癪を起こすかは、大陸が圧倒的な力を持っている」と、暗に武力行使を仄めかすコメントを出していました。
7月14日には、米軍輸送機のC-146Aが台湾の松山空港に着陸し、36分間の滞在ののちに、台湾を離れました。この時の目的は明らかになっていません。
中国国防部の吳謙報道官は15日の記者会見で、「米側は、火遊びをせず、危険で挑発的な行動を直ちに止め、(中略)台湾海峡の危険な緊張を悪化させるな」と米側を非難しています。
3回目の米軍機による台湾着陸となる今回は、中国側からの反応が、異様に大人しいのです。
中国国内の複数のメディアも、この件を伝えていますが、いずれも今回の米軍機は、正確に言えば『米軍に委託された民間航空部隊』の輸送機L-100 ハーキュリーズ (C-130の民生型機)だと報じています。
中国メディアの易網に投稿された記事では、「 軍用機も民間機も、我々の許可なく台湾の空港に着陸し、我々の航空管制法を破り、中米共同コミュニケの原則と精神に著しく違反している」と非難しています。
易網の記事では、「私たちは、アメリカによる絶え間ない挑発が台湾の状況をより緊迫したものにし、中米両軍が対峙する状況もさらに出現する可能性があることを理解した。米国による今回の「サラミ·スライス」の試みは深刻な結果をもたらすだろう。」と警告しています。
続けて易網の記事は、「 台湾の問題が平和的に解決されることを望むのは当然だが、米国の絶え間ない挑発行為には強力な反撃を与え、一歩も譲らないようにしなければならない。 台湾に対する一連の実践的な行動をとってこそ、これからのゲームで主導的な立場をとることができる。」と威勢の良い字句で締めています。
新聞やテレビ、SNSやネットも全て中央政府の検閲を受ける中国では、政府の意向に沿わない記事がネット上に投稿されることは考えられません。
つまり易網の記事は、中国政府の言いたいことを伝えていて、これによって米国や世界世論の反応を見ていると考えられます。
もし米国世論がこの記事を見て、少しでも怯むような態度を見せれば、中国は強い態度に出て、この記事で書いていることを中国政府の報道官が発表するでしょう。外交部の趙立堅報道官の出番です。
逆に米国が4回目の米軍機の台湾着陸や、米海軍軍艦が台湾に寄港するなど、一歩進める態度を見せれば、慌てふためきながらも政府は沈黙し、中国内メディアや環球時報に威勢の良い語句を並べるだけに収まります。
『引けば押せ、押せば押し返せ』が中国と末長く付き合う秘訣です。今風に言えばサステイナブル(持続可能な)関係を築く方法ですね。
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参考記事
<希望之声>美军飞机第三次抵台 胡锡进口气却越来越软
http*://bit.ly/3iucnTm
<网易>事不过三！美军机第三次现身台湾岛，若再次出现我们该如何应对？
http*://bit.ly/3BlokDq
<腾讯网>无视警告又窜来一架飞机，美军这是疯了吗？专家：我方有权击落！
http*://bit.ly/3rjE710
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