米国下院は、台湾が中国の一部であると描かれた地図を制作、調達、表示するために、米国行政府が予算を使うことを禁止する法案を可決しました。 台湾外交部のスポークスマンは感謝の意を表しました。
ドイツ国営の国際メディアの徳国之声の記事より。
米国下院は28日に「2022年度国務省・外交・関連プログラム歳出法」を217対212の賛成多数で可決しました。この法案には、5名の親台湾派議員が提案した修正案が含まれており、 修正案では、米国の行政府が、台湾を中国の一部として描いた地図を作成、調達、表示するために予算を費やすことを禁じています。
提案者の一人の共和党ティファニー議員は、1970年代以降、米国の「一つの中国政策」は、台湾が中国の一部であるという中国の誤った主張を認知しており、 これは「不誠実」な政策であり、米国はこれを放棄すべきだと主張しました。
ティファニー議員は、修正案は政策を変えるものではないが、少なくとも「デタラメで不誠実な地図使用の停止」を求めるものだと述べ、 「中国共産党は中国共産党、台湾は台湾」と強調しました。
法案はこの後上院で審議され、可決されれば、バイデン大統領の署名により成立します。
台湾外交部の欧江安報道官は、「台湾外交部は、米国議会議員が台湾への友好的な姿勢を示すために具体的な行動を続けていることに感謝しており、今後も米国の行政府や議会と緊密に連絡を取り合い、台湾と米国の二国間の友好関係を深めていきたい」と述べました。
東京五輪の開会式の中国入場時に、米NBCが台湾が領土に含まれない中国地図が表示しました。
米国で放映されたこの画像は、中国国内では、共産党青年団が微博(中国のTwitter)に、『请不要偷偷摸摸动手脚,图二才是完整的中国地图!(コソコソ改竄するなよ。右側が完璧な中国地図だ!)』と、テレビ画像と中国地図を対比させて投稿するなど、非常に多くの非難の声が上がりました。
日本のテレビ中継では、この地図は表示されていなかったので、ほとんどの日本人は知らなかったはずなのですが、五毛党らしき人たちがこぞってTwitterに、「中国地図に台湾がない」ことを非難するツイートをしているのを見て、初めて知った人もいるのではないでしょうか。
米下院で「台湾を含んだ中国地図」を禁止する法案が可決されたことと、NBCが「台湾を含まない中国地図」を表示したこととが、同関係しているのか分かりませんが、米国では「台湾は中国の一部ではない」と言う考え方が広がっているのは確かなようです。
余談になりますが、中国国内では、米NBCの地図には、5箇所の間違いがあると非難する投稿もありました。
右側がNBCが表示した「間違った中国地図」で、左側が「正しい中国地図」だと主張しています。
これらの地域は、1:尖閣諸島、2:台湾、3:南シナ海、4,5:インドとの国境紛争地域です。
領有を主張しているだけで、実効支配していないので、地図上の領有を否定されるとヒステリックに反応してしまうのでしょう。
日本の場合は、竹島や北方領土に関して、一般国民は他人事のように見ていますが、中国を真似して、もっとヒステリックに騒いだ方がいいのかもしれません。
参考記事
<徳国之声>美众议院通过修正案阻止中国地图包含台湾
http*://bit.ly/2VkYgb7