アフガニスタンの状況は急速に変化しており、タリバンが18の州を連続して制圧し、米国をはじめとする外国要人が退避に備えて機密文書を焼却している中、アフガニスタンのカイム駐中国大使は中国に支援を訴えています。
香港の南華早報を引用した多維新聞の記事より。
アフガニスタンのカイム駐中国大使は、「中国はタリバンの暴力的な活動を止めるために、2つの方法でタリバンにもっと圧力をかけるべきだ」と述べました。
第一に、アフガニスタン政府はタリバンの支配方法を受け入れないし、アフガビスタン国内での行動を容認できないことを、はっきりと伝えること。
第二に、タリバンがパキスタンから多くの支援を受けており、中国とパキスタンは非常に良い関係にあり、中国はこれを利用して、パキスタンにアフガニスタンの平和によって利益を受けるように説得することができます。
カイム駐中国大使がこの発言をしたちょうどその頃、カタールで行われていた、アフガン紛争に関する多国間協議が終了したばかりでした。
多国間協議には、中国、ロシア、パキスタン、米国などの国とアフガン政府、タリバンの代表が参加していました。
多国間協議では、アフガニスタン政府とタリバンが相互の信頼関係を構築するための措置を講じ、政治的和解と包括的停戦に向けて可能な限り早期に取り組むことを求める声明を出しました。
声明では、アフガニスタン政府とタリバンとの交渉にとって、アフガニスタンの和平プロセスを加速させることが、最も緊急かつ基本的な課題であるとしています。
また、声明では、アフガニスタンで武力を行使して政権を掌握した政府は認められないとし、アフガニスタン国内各地で暴力や破壊が多発していることに深刻な懸念を示しました。
これに先立つ7月28日、中国の王毅外相は、天津でアフガニスタン・タリバン政治評議会のバラダー議長と会談しました。
王毅外相は、「中国は常にアフガニスタンの主権、独立、領土保全を尊重し、アフガニスタンの内政に不干渉を主張し、アフガニスタン国民全体に対して常に友好的な政策を追求する。」と述べています。
中国政府は表面的には、アフガニスタンはアフガンの人々のものであり、アフガニスタンの未来と運命はアフガンの人々の手に委ねられるべきとの態度をとっています。
アメリカは、直接軍隊を派遣してアフガニスタン政府を20年にわたって支援してきましたが、アフガニスタン政府は自力で国内を統治する力を育てることはできませんでした。
これに対して、中国はパキスタン経由した武器支援という形でタリバンを支援し、今はタリバンとの友好関係を隠そうともしていません。
アフガニスタンという局地での争いですが、アメリカと中国との代理戦争として見ると、勝者はどちらか明らかですね。
これはビジネスでも同じです。数年先しか見ない人達と、100年先、1000年先まで考える民族との違いです。
参考記事
<多維新聞>塔利班攻城略地 阿富汗驻华大使向中国“求救”
http*://bit.ly/3CNlXKm