非常に控えめな服を着た馬雲(ジャック・マー)が、野菜温室を視察するする画像がインターネット上で流布されました。114日間も姿を消していたジャック・マーが、なぜ野菜小屋に現れたのでしょうか?
複数の中国国内メディアの報道より。
報道によれば、ジャック・マーは9月1日に嘉興市平湖に現れ、いくつかの農業ハウスを訪問し、アリババグループのデジタル農業基地を視察しました。
インターネット上で流布された写真では、ジャック・マーは白い帽子をかぶりカジュアルな装いで、とてもリラックスした表情をしていました。
ジャック・マーは、5月10日の「阿里の日」のイベントに登場して以来、114日間も公に姿を表すことはありませんでした。
ジャック・マーがデジタル農業基地を訪問した翌日の9月2日に、アリババグループは「アリババの共同富裕のための10の行動」を開始すると発表しました。
「アリババの共同富裕のための10の行動」は、2025年までに総額1,000億元を投資して共同富裕を支援するもので、その1つとして農業の産業化を推進するとしています。
ジャック・マー氏の写真がネット上に流布されたのは、ジャック・マーは「金融業務に固執する」のではなく、「農業開発を支援する」という姿勢を習近平政権に示すためだと推測されています。
かつてはさまざまな場面で饒舌で雄弁な発言をしていたジャック・マーですが、2020年10月24日の上海金融フォーラムで、中国の金融当局を批判し、習近平国家主席の怒りを買ってしまいました。
そして2020年11月2日には、北京の証券監督管理委員会に呼び出され、史上最大となるはずだった350億ドル(約3兆8500億円)規模のアントIPOの中止を命じられました。
以後、ジャック・マーは公での発言をほとんどせず、さまざまな会議にも出てこないなど、かなり行動を抑制しています。
習近平国家主席が8月17日の中央財経委員会第10回会議で発表した「共同富裕」の内容は、三度の分配を通して、高収入の人々や企業に、さらに多く社会還元するよう奨励することでした。
その後、アリババ、テンセント、京東、拼多多などの中国の大手企業が習近平の「共同富裕」への大規模な寄付を発表しました。
テンセントは8月18日に、500億元(約8500億円)を投じて「持続可能な社会的価値の革新」戦略を立ち上げ、さらに500億元(約8500億円)の追加資金を投入して「共同富裕特別計画」を開始することを発表しています。
雑誌『北京之春』の名誉編集長である胡平氏は、ジャック・マーをはじめ、大物実業家たちは、北京当局の取り締まりを恐れ、恐怖心から寄付をしたのだと語っています。
胡平氏は、もし彼らが多額の寄付をしなければ、中央政府がどこまでも彼らを追いかけて、抱えている別の問題を見つけ出すと警告しています。
「そうなれば、経済的損失はさらに大きくなります。中国共産党は名目上は自発的な寄付を呼びかけているが、実際には支払いを強制している」
我が世の春を謳歌していたジャック・マーですが、習近平に睨まれてからは、蛇に睨まれた蛙よりも縮こまってしまったようです。
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参考記事
<新浪看点>消失114天后,马云现身参观蔬菜大棚,休闲打扮十分低调
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<捜狐>马云低调现身视察蔬菜大棚引发揣测,距离上一次露面已有4个月
http*://bit.ly/2VA9ZCZ
<百度>消失了114天后,马云终于现身了!这次竟是蔬菜大棚……
http*://bit.ly/3k0Dh7k
<看中国>消失114天 马云为何出现在蔬菜大棚里?
http*://bit.ly/3C5IeBO