中国人民解放軍輸送機の運-20の6機編隊が、トルコ領空を経由してセルビアに向かって西に飛行したと伝えられました。
米国国営メディア美國之音の記事より。
航空機追跡グループであるエバーグリーン・インテルは、イスタンブールの北で中国空軍の大型輸送機を最初に発見しました。
その後、Y-20の6機編隊は、セルビア・ベオグラードのニコラ・テスラ国際空港に着陸するのが目撃されました。
Y-20は中国製の地対空ミサイルFK-3をセルビアに運んでいたとの情報もあります。FK-3は、中国の地対空ミサイル『紅旗22型』の輸出版です。
セルビアがロシア製のS-300ではなく紅旗22号を購入したのは、中国製のミサイルの方が安価だったためと言われています。
中国共産党機関紙の人民日報系列の環球時報は、中国が開発した大型輸送機の史上最大の海外運用であり、同国の戦略輸送能力を実証したと述べています。
6機のY-20はその後、ベオグラードのバタニカ空軍基地に到着し、懸念される動きとなっています。
AP通信は、これは中国人民解放軍のヨーロッパにおける力の誇示であり、中国の世界的な影響力の増大を示すものであると報じました。
報道は、中国の兵器がセルビアとコソボの緊張を高める可能性があるとし、西側諸国はウクライナ紛争中のバルカン半島での武器輸送は、この地域の『脆弱な平和』を脅かす可能性があると述べています。
中国外交部趙立堅報道官は11日の定例記者会見で、「中国とセルビアとの二国間協力計画を実施するため、中国側は最近セルビアに空軍輸送機を派遣して通常兵站を届けた。これは中国とセルビアの年間計画協力プロジェクトである。」と述べています。
同時に趙立堅報道官は、「これは第三者を対象としたものではなく、現状とは全く関係のないプロジェクトであるため、関係するメディアには過大な解釈をしないでほしい 」と述べました。
2008年にセルビアから独立したコソボは、欧米は一致してコソボの独立を認めていますが、ロシア、中国、セルビアは未承認です。
また、セルビアはロシアによるウクライナ侵略戦争での対ロシア制裁に加わることを拒否し、長年ロシアや中国の兵器を購入してきたことから、バルカン半島ではロシアの友好的な同盟国と見られていることも注目されます。
もしかすると、中国はセルビアへの武器輸出を装って、こっそりとロシアへの軍事支援をするつもりなのかもしれません。
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参考記事
<美國之音>华尔街日报:中国加快扩大核武库规模
http*://bit.ly/3jwvJIp
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