中華民国の建国記念日「双十国慶節」を迎えた10月10日、蔡英文総統は祝賀式典で演説し、「台湾海峡の平和と安定は両岸(台湾と中国)関係の発展の基礎である。」と述べました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
1911年10月10日に発生した武昌起義は、辛亥革命に発展し清朝が滅亡し中華民国が成立しました。以後10月10日は中華民国の建国記念日となり、10が二つ重なることから「双十節」「双十国慶節」と呼ばれています。
111回目の双十節となる今年の10月10日に、蔡英文総統は総統府前で開かれた祝賀式典で演説し、北京当局に対し「武力による問題解決は両岸の選択肢ではない。台湾の人々の主権と民主主義、自由を固く守る意思を尊重することのみが、両岸の前向きな交流を再開させる根本となる」と呼び掛けました。
蔡英文総統は続けて、「理性的で平等、相互に尊重することを前提に、われわれは北京当局と共に双方が許容可能な台湾海峡の平和と安定を維持する方法を探る用意がある」と述べました。
蔡英文総統は、「この台湾の地に住む人々は、73年間共に生活し発展してきたことで、強いアイデンティティと帰属意識を持つようになった。台湾の人々と両岸の政府の最大のコンセンサスは、主権を守ると同時に、民主的で自由な生活様式を守ることです。 この点では妥協の余地はない」と述べました。
蔡英文総統は、「台湾の活発な民主体制を誤解し、台湾人の民主と自由の主張が損なわれると誤解し、政党間の激しい競争を利用して台湾社会を分裂させようとしないでいただきたい。そのような考え方は両岸関係を助けるものではなく、両岸の距離をさらに遠くするだけだ」と北京当局を叱りつけました。
蔡英文総統は北京当局に対し、「両岸の対立は双方にとって絶対に選択肢にはならない。台湾の人々が主張する主権と民主的自由を尊重することだけが、健全な両岸交流を再開するための基本である」と語りかけました。
蔡英文総統は、「台湾海峡の両岸の人々の健全で秩序ある交流が、国境の封鎖解除後、徐々に再開され、台湾海峡の緊張状態が緩和されることを期待している。合理性、平等性、相互尊重の下、我々は北京当局と協力して、台湾海峡の平和と安定を維持するために相互に受け入れられる方法を見つけることも厭わない。これは我々の共同責任である。」と演説を締めくくりました。
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蔡英文台湾総統の呼びかけが、習近平中国国家主席の心に響くのでしょうか?
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参考記事
<自由亜州電台>蔡英文双十讲话:维持台海和平稳定 是两岸共同责任