黄大仙の blog

何にでも首を突っ込みたがる好奇心旺盛なOJISANブログです。

中国のロケット残骸が制御不能で墜落、スペインはしばらくの間、領空を一部封鎖

中国の長征5Bロケットの残骸が制御不能のまま大気圏に再突入しました。これを受けた欧州航空安全機関(EASA)は、落下してくるロケット残骸が上空を通過すると予測されるスペイン北部の空域の一部と、フランス・コルシカ島の南の空域を閉鎖する措置を実施しました。

  ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。

宇宙ステーション建設用に開発された「長征5B-Y4」ロケット

  これまでの推定では、ロケットの残骸は長さ約30メートル、重さ約20トンで、410:08GMT頃に大気圏に再突入し、その後西経101.9度、北緯9.9度の座標でメキシコ沖の海域に落下しました。

 

  中国有人宇宙プロジェクト弁公室は、ロケット残骸の大部分は「大気圏への再突入時に燃え尽きた」とし、被害状況には言及していません。

 

  スペイン北部の空域は、49:38~510:18GMT25時間に渡り、飛行禁止となり、合計300便以上が遅延またはキャンセルされました。

 

  ロケットは中国独自の宇宙ステーション建設用に開発された「長征5B-Y4」ロケットで、1031日に実験棟「夢天」を搭載して打ち上げられました。

 

  長征ロケットは現代のロケット技術とは異なり、制御された落下を想定しておらず、 何日もかけて地球の周りを回りながら徐々に高度を下げていきます。大気圏に入り空気抵抗が大きくなると、ロケットの残骸がバラバラになり、一部は大気中の摩擦で完全に燃え尽き、大きな残骸は地表に墜落して、人命や財産が失われる可能性があるのです。

 

  中国は、ロケット打ち上げのたびに、制御しない落下設計により、国際的な批判にさらされてきました。

 

  米国の調査研究機関はロケットの主要部分(22.5トン)が無制御のまま大気圏に再突入し、残骸の一部が燃え尽きずに地表に落下する恐れがあると説明していました。

 

  中国のロケットの残骸が制御不能な状況で大気圏に再突入するのは、この2年余りで4回目です。 今年7月にはインドネシアボルネオ島北東部のスールー海で残骸が発見され、マレーシアとインドネシアの国境で不完全燃焼の残骸が見つかり、フィリピン沖でも残骸が発見されました。

中国のロケットの残骸とみられる破片、フィリピン・ミンドロ島

  中国外交部の趙立堅報道官は定例記者会見で、「ロケットが大気に再突入するのは国際的な慣例であり、大部分は大気圏突入の過程で燃え尽き、航空活動や地上に危害をもたらす確率は極めて低い」と述べています。

+++++++++++++++++++++++++++++

  趙立堅の発言は中国共産党の無責任体質を表しています。大気圏に再突入したときに、各破片が完全に燃え尽きる大きさにバラバラになるように設計すべきです。


 

参考記事

<徳国之声>中国火箭残骸不受控坠落 西班牙一度封锁部分领空

https://bit.ly/3DVcW3h