欧米の政府要人がまた一人台湾を訪問しました。 英国国際貿易省のグレッグ・ハンズ閣外大臣が11月7~9日の3日間台湾を訪問し、英国政府を代表して貿易交渉を行うとともに、台湾の蔡英文総統と会談しました。北京の中国政府は不満を募らせています。
ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。
台湾を訪問した英国国際貿易省のグレッグ・ハンズ閣外相は9日、台湾の蔡英文総統と会談しました。
蔡英文総統は、通商協議のため訪台したハンズ閣外相に対し、台湾の国際社会への参加や、台湾海峡の平和と安定を英国が長期的に支援していることに謝意を示し、英国との通商協定締結やスナク政権との協力深化に期待を示しました。
ハンズ閣外相は、英国と台湾は共通点が多く、志を同じくするパートナーとして多くの課題に直面しているとの認識を示しました。
英国は台湾と正式な外交関係を結んでいないが、経済関係は緊密で、台北に事実上の大使館を置いています。
ハンズ閣外相は、台湾で開催された第25回台英経済貿易対話会議の議長を務めました。
新型コロナの世界的パンデミック以来、台英双方が直接会って市場アクセスの問題を話し合うのは今回が初めてで、二国間のグリーン貿易やサプライチェーンの協力、洋上風力発電や水素エネルギーなどの分野における英国の専門知識について、台湾と英国の貿易関係を強化するために話し合いが行われました。
台湾の過去30年間の平均経済成長率は4%で、 台湾は英国にとって重要な貿易相手国であり、2021年には英国と台湾の二国間貿易総額が80億ポンド(約1兆3千億円)を超えています。 また、台湾は半導体製造のリーダーであり、グローバルサプライチェーンの中で重要な位置を占めています。
中国外交部の趙立堅報道官は7日の定例記者会見で、英国国際貿易省のグレッグ・ハンズ閣外大臣の台湾訪問をどう思うかとの質問に対し、「世界に中国は一つであり、台湾は中国の不可分の領土である」ことを繰り返し強調し、「外交関係の確立した国と台湾とのいかなる形の公式接触にも断固反対である」と述べました。
趙立堅報道官は英国に対し、台湾独立分離主義勢力に誤ったシグナルを送ることを止めるよう求め、「台湾の動きは外部勢力との結託であり、『独立』を求めることは失敗する運命にある」と指摘しました。
英国政府は、英国の対中外交政策の変化を否定しており、「我々は貿易や文化などの分野で(台湾と)活発で長年の関係を築いており、それは我々の取引の一部である」と述べています。
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英国政府の態度は、「中国政府が何を言おうと、英国と台湾は昔からずっと交流している」とすまし顔をしているようです。
8月に米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問したことに深い不満を抱いていた中国政府は、台湾の周辺で大規模な軍事演習を行いましたが、それ以後もフランス議会の代表団、ドイツ議会の代表団、欧州議会副議長の代表団、ドイツ議会人権委員会の代表団、中国政策に関する列国議会同盟(IPAC)の欧州多国籍議員の代表団など、欧米諸国要人が続々と台湾を訪問しています。
3期目入りを決めた習近平国家主席が8日、人民解放軍幹部らに「戦争の準備強化せよ」「すべてのエネルギーを戦争に合わせ勝利するための能力を向上させなければならない」と指示しており、中国を煽りすぎると怖いことにならないか心配です。
参考記事
<徳国之声>英贸易政策部长访台将见蔡英文 北京怒斥
<自由時報>英國副部長贈總統伴手禮有巧思 彰顯台英共享平權價值
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