中国でのオミクロン感染者数は重慶などの大都市では2023年1月前後に終息を迎え、その後は農村部や中小都市部に集中するとする研究論文が発表されました。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
中国科学院の陳彩娟(Chen Saijuan)学員、上海公衆衛生臨床センターの范暁紅(Fan Xiaohong)らのチームが雑誌『Frontiers in Medicine』に発表した研究論文では、重慶市の主要都市部と郊外のデータを数学的にシミュレーションした結果、郊外では流行のピークが遅れ、春節の時期に流行の広がりが加速し、感染のピークが大幅に高まるとしています。
同研究論文では、四川省、陝西省、甘粛省、青海省については、2023年1月中旬から下旬にかけて、農村部や中小都市部で感染のピークを迎えると推定しています。
また、中国の農村部や中小都市部は医療資源が比較的乏しく、高齢者や基礎疾患を持つ人が多く、春節期間中の都市部と農村部の人の移動が流行の行方を大きく左右すると指摘しています。
研究チームは、オミクロンの農村への拡散に対する危機管理計画を開始し、有効な医薬品と新しいワクチンの緊急使用を許可し、効能が証明されている漢方薬の生産、流通、合理的な臨床使用を確保し、中小都市の重症疾患の治療能力を高めることが急務だと考えています。
研究論文は、主要都市と郊外の数学的シミュレーションによると、郊外では流行のピークが遅れ、春節の時期には流行の広がりが加速されるため、そのピーク時の感染力が著しく高まることが示唆しています。
四川省、陝西省、甘粛省、青海省については、省都を除く流行の進行を予測し、農村部や中小都市部での感染ピークは1月中旬から下旬と推定されています。
特に懸念されるのは、農村や小さな町では医療資源が相対的に不足しており、高齢者や基礎疾患を持つ人が多いことです。春節期間中の都市部と農村部の人々の移動が、流行の行方を大きく左右することになります。
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今年の春節は1月22日で、1月21日から27日が春節休暇となり、国民大移動が始まります。
多くの人が海外旅行に出かけるこの時期に、感染のピークが予想されており、春節の時期に中国から到着する渡航客から陽性者が続出することが予想されます。12月26日に中国からミラノに到着した航空便の乗客の半数が陽性になったように。
もっともイタリア以外のEU諸国は、中国からの渡航客へのコロナ検査に消極的なので、日本で入国規制しても効果はないかもしれませんね。
参考記事
<世界新聞網>北上广渝疫情近尾声 中国农村面临爆发挑战