陝西省宝鶏中央血液ステーションの検査員が、献血者の定期的なスクリーニングをしていたところ、数十万人に1人と言われる珍しいABO亜型のcisAB血液型を発見しました。
中国国内のニュースサイト百度新聞に掲載された記事より。
陝西省宝鶏中央血液ステーションでは、遺伝子検査の結果、献血者と親族2人の遺伝子配列がcisAB血液型であることが確認されました。
cisAB型は数十万人に1人と言われる珍しい血液型で、ABO式血液型は、9番染色体上の遺伝子によって決定され、二組ある遺伝子上のそれぞれに、遺伝子は通常一つのみ(A、BまたはO)が乗ります。しかしAとBの両方の遺伝子が同一染色体上に乗る、「AB型遺伝子」を持つ人が稀にあり、このような血液型はcisAB型と呼ばれます。
この血液型遺伝子は、米国国立生物情報センター(NCBI)の専門家による審査を受け、世界血液型データバンクに登録され世界的に共有されます。
従来、AB型とO型の夫婦の間に生まれた子供は、通常、AB型ではなく、A型かB型のみの血液型になるとされてきましたが、cisAB型の場合にはA型かB型だけでなくO型やAB型の可能性もあります。
中国では俗に「パンダ血」と呼ばれる血液型があり、漢民族の1,000人に3~4人程度の確率で存在するRhマイナスの血液のことです。しかし、cisAB型は58万分の1から17万分の1であり、まさに希少な血液型です。
輸血時の異常反応を避けるために、cisAB型には通常のAB型血液を輸血する代わりに、O型またはA型赤血球を輸血するか、自己血輸血を検討する必要があります。
cisAB型血液型は、2012年に山東省の済南章丘大学城の19歳の大学生で見つかり、これが世界で初めてcisAB型が報告されたものになります。その後、山東省の済南と日照、江蘇省の連雲港、浙江省の寧波と衢州、河北省の秦皇島で見つかっています。
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とても珍しい血液型といえばRhマイナスAB型と思っていましたが、それを凌駕する珍しい血液型があったとは知りませんでした。
何よりも驚きなのは、cisAB型はO型と親子関係がありうるということですね。血液型だけでは親子関係を判定できなくなったわけですから、これを題材にした小説は成り立たなくなりましたね。
2017年には中国江西省で、新B変異遺伝子型(新しいB亜型)が見つかっているそうです。ABO血液型も年々複雑になりつつあります。
血液型性格診断というのがあるそうですが、(私は全く信じてないんですが)、きっと性格も年々複雑になっているんでしょうね、知らんけど。
参考記事
<百度新聞>陕西发现一例“黄金血”血型 江苏也曾发现过