米国のシンクタンクや学者の間で米中の新冷戦の話が過熱する中、中国が米国との熱い戦争の準備をしているという分析が出てきています。中国の習近平国家主席が最近「戦争の準備」をテーマにした発言を繰り返し、一連の準備の動きをしていることが注目されています。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
アナリストたちは、3月に開催された中国共産党の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の会期中に、習近平が4回にわたって戦争の準備というテーマを取り上げ、その中には将軍たちに「あえて戦う」ことを指示した場面もあったと指摘しています。
中国の両会で発表された国防予算の7.2%増は、中国の軍事費が過去10年間で倍増したことを意味し、中国は外国からの食料輸入への依存度を下げる計画です。
さらに昨年12月に中国政府は、予備役をより容易に活性化させ、戦時に戦闘部隊を補充する措置を制度化することを可能にする新しい法律を制定しています。
昨年12月以降、中国政府は北京、福建、湖北、湖南、内モンゴル、山東、上海、四川、チベット、武漢に国防動員事務所や募集センターを相次いで開設しています。
中国の公式メディアは、3月に福建省のいくつかの都市では、海外のIPアドレスから政府のウェブサイトへのアクセスをブロックし始めたと報じています。
米国の中国専門家によると、習近平国家主席は米国主導の民主主義世界への経済的・技術的な重大な依存を断ち切るために、10年来のキャンペーンを強化していると論じています。
習近平国家主席が戦争への備えを進めることで、台湾を威嚇する政治キャンペーンは新たな局面を示しています。
「紛争が差し迫っているとは言えないとはいえ、中国では世界中の政策立案者やビジネスリーダーが無視できない変化が起きています。習近平が戦争の準備をしていると言うのであれば、その言葉を真に受けないのは愚かなことです」と専門家は警告します。
上記の専門家の警告は妥当なのでしょうか?中国とアメリカが冷戦に突入するのか、それとも熱戦に突入するのか、その議論はまだ続いており、結論は出ていないため、さらなる観察を要するでしょう。
米国政府側では、ジョー・バイデン大統領も、米国は新たな冷戦を望んでいないことを強調しています。昨年、バイデン大統領は習近平国家主席と会談した時に、「新たな冷戦は必要ないと私は絶対に信じている 」と語っています。
ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官も、「米国は対立を求めないが、同時に競争において中国に勝つ用意がある 」と繰り返し述べています。
米国の政策研究機関であるヘリテージ財団は最近、米中間の冷戦に関する報告書を発表し、米中間に新たな冷戦が起こり、米国は現実に目を覚まし、社会全体を動員して中国の脅威に立ち向かわなければならないと発表しました。
ヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長は、「米国は中国と新たな冷戦状態にある、という現実を認める時が来た」と前置きした上で、「中国はソビエト連邦よりも有能で危険な敵対者である」とさえ強調しています。
アジア研究センターのディレクターであるジェフ・スミス氏は、「中国は、自身が長年にわたって米国に対して冷戦の戦術や戦略を採用してきたため、米国が冷戦的な考え方を持っているとすぐに非難する」と述べています。
米中間の冷戦の有無にかかわらず、冷戦の中身は時代の変化により形を変えつつあります。
旧冷戦当時の米国とソ連の2陣営は、朝鮮戦争という熱い戦争があり、その後に冷戦が何十年も続きました。
ロシアとウクライナの戦争は、局地的ではあるが、すでに世界の民主主義陣営と反民主主義陣営の境界を明確にしています。
同時に、中国、北朝鮮、イランは、ロシアに味方する必要性に加えて、それぞれ局所的な熱戦を繰り広げたい衝動に駆られているように見えます。
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これはフランスメディアの記事なので、ロシアによるウクライナ侵略を間近に見て、米中も冷戦から武力衝突(熱戦)に発展すると危機感を持っているようです。
もっとも日本は米中対立の最前線にいるのに、あまりに危機感がなさすぎて拍子抜けしますね。ミサイル撃ち込まれたら怒らなきゃ。国会でくだらない議論してたら文句言いましょう。
参考記事
<美國之音>中美“冷战”争论未休 “热战”风险警告不断