中国国防部：「徴兵規則」の新改正で、6つの大きな改革を実施

中国国防部の譚克非報道官は、新たに改正された「徴兵規則」には、軍の人員補充と備蓄に強力な制度的保障を提供し、統合国防と強い軍隊を建設するための6つの主要な革新があると述べました。

　　中国国内のニュースサイト百度新聞に掲載された記事より。

　　譚克非報道官によると、国務院と中央軍事委員会の承認を得て、新たに改正された「徴兵規則」は、2023年5月1日から施行されます。

　　「徴兵規則」は、法律に基づく中国の徴兵の重要な基本規則として、習近平の強い軍隊という思想を実行し、新時代の戦略的軍事政策を遂行し、国防のニーズに応え、徴兵の質の向上に力を入れ、徴兵の手続きを標準化し、責任と権限の明確化、文民と戦闘員間の迅速かつ効率的なインターフェースを持つ新しい徴兵制度の構築に努めています。

　　改正された「徴兵規則」は、11章74条からなり、主な革新点は次の6点に絞られます。

　　第1に、徴兵組織・指導メカニズムを改善し、徴兵に関する党の指導を強化し、国家から省・市・県まで縦にまとまり、政府から大学まで横に広がる徴兵組織・指導制度を構築する。

　　第2に、質の高い兵士の募集を重視し、総合的な評価・選抜メカニズムを構築し、大学生を募集対象として明確に焦点を当て、大卒者や政治・身体条件、職業技能に特別な要件を持つ兵士の採用を優先的に確保する。適格な元兵士は再入隊でき、元の軍隊や同種の職に就くことを優先させる。

　　第3に、徴兵医療検査と政治的評価の手順と方法を最適化し、予備身体検査の結果が全国的に相互に認められることを明確にし、徴兵された国民の政治的態度や現実的な成績などを評価することに重点を置くことである。

　　第4に、新兵の引き渡し方法を改善することで、兵務機関による兵士の派遣と新兵の自主的な申告を重要な引き渡し方法として強調する。

　　第5に、新兵の検疫、審査、帰還のメカニズムを改善し、帰還した新兵の権益の保護に一層の注意を払い、帰還した新兵の悩みを解決する。

　　第6に、徴兵制の全面的な保護を強化し、徴兵制情報技術の建設を推進し、市民の徴兵制に対する保険保護制度を確立し、徴兵制の監督・検査と表彰・報奨を強化し、徴兵制違反の認定・処罰を精密化・改善し、法律に基づいて徴兵制業務を組織し効率的に実施することを確保すること。

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　　もっともらしいお題目が並んでいますが、今回改定された規定の主眼は、大学新卒者を重要な採用対象とすることです。

　　若年層の就業率が20％以下（5人に1人しか仕事がない）と言われ、『卒業就是失業（卒業すなわち失業）』と揶揄される大学新卒者の失業問題の対策のために、徴兵制度の改正に踏み切ったようです。

　　中国の軍事費は30兆円(2023年)で、前年比7.2%増と軍拡路線を歩んでいますが、新徴兵制で兵員を増やすとますます軍事費を増やすことになり、財政を圧迫しないか心配になります。

　　蛇足ながら、徴兵規則は男女平等に適応されるようです。deepredrose.hatenablog.com