黄大仙の blog

何にでも首を突っ込みたがる好奇心旺盛なOJISANブログです。

インドの人口が中国を抜いた 中国にとってどんな意味があるのか?

インドの人口が中国を抜き、世界一の人口大国になろうとしていることを、国連が発表しました。これに対し、中国外交部の汪文斌報道官は、「中国の人口ボーナスは消滅していない」と反論しました。しかし、一部の学者は、汪文斌報道官の発言は事実隠蔽であるとし、インドの人口が中国の人口より優れていると分析しています。

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

インドの人口が中国を超える

  国連が発表した数字によると、インドの人口は今年中に142860万人に達し、中国の142570万人を上回り、中国に代わってインドが世界一の人口大国となることが明らかになりました。

 

  この問題に対し、中国外交部の汪文斌報道官は定例記者会見で、李強首相の言葉を引用し、「中国の人口ボーナスは消えておらず、人材ボーナスが形になっており、発展の勢いは依然として強い 」と述べました。

 

  中国の多くのメディアは、『インドに「人口ボーナス」があるのか、それとも「人口オーナス」があるのか』するコメントを発表しました。

 

  中国とインド双方の人口動態の見通しについて、ウィスコンシン大学マディソン校の人口学者である易富賢氏は、インドの「人口オーナス」は正しくないとの見解を示しています。

 

  易富賢は、「インドの人口構造は中国よりはるかに優れています。インドには人口動態のボーナスだけでなく、才能のボーナス、労働のボーナス、イノベーションのボーナスがあるのです。」と述べています。

 

  米国中央情報局発行の「ザ・ワールド・ファクトブック2022」によると、中国人口の年齢の中央値は38.4歳であるのに対し、インドは28.7歳に過ぎません。

 

  易富賢は、「インドは人口ボーナスに加え、年齢構造の優位性を持っています。また、インド経済は将来的に中国を超えるだけでなく、米国を超えることさえある 。インドが将来的に新しい世界の景色を支配する可能性を信じています」とさえ述べています。

 

  また、易富賢は、国連が発表した数値は中国とインド双方の人口を正しく評価しておらず、実際にはインドの人口は何年も前に中国を追い越しているとの見方を示しています。

 

  「国連は、中国の人口を15000万人、インドの人口は約5000万人過大評価しています。インドの人口が中国を追い抜いた時期は、2014年頃だったと私は見ています」

 

  汪文斌も記者会見で、「中国には9億人近い労働人口がいる。中国の労働人口は平均10.9年の教育を受けており、新しい労働力は14年の教育を受けてさえいる。 一方、中国は人口高齢化に積極的に対応する国家戦略を実施し、3人っ子出産政策を推進し、人口動態の発展変化に積極的に対応するための支援策を支持している」と述べています。

 

  時事評論家の藍述氏は、中国当局のこの発言は、実は人口ボーナスの消失という問題を隠蔽するためだと見ています。

 

  「諸外国による中国への投資の主な目的は安価な労働力の確保であるため、外資の減少や輸出の減少を背景に、中国人の教育水準は無視されています」

 

  藍述氏は、「サプライチェーンのシフトや地政学的な変化により、インドは人口ボーナスを持つ存在となり、主に欧米からの外資や輸出で中国と競合し、中国と強く競争できるライバルとなっています。つまり、中国当局の言い分は、実は主に自国民を欺くためなのです」と強調しました。

 

++++++++++++++++++++++++++++++++

  『人口世界一』を争う中国とインドですが、この2カ国で合計28億人以上と、全世界人口80億人の1/3以上を占めるのですからすごいです。

 

  少子高齢化の進む中国に比べて、インドの人口構成は釣鐘型で健全な形をしています。将来性はインドの方が有望ですね。

インド(左)と中国の人口構成

honkawa2.sakura.ne.jp


参考記事

<自由亜州電台>印度人口将超中国对中国意味着什么?

https://bit.ly/3KYGnF8