黄大仙の blog

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中国8月の統計指標発表 若年失業率をどうするか? 中国政府:解決策ならある!

中国国家統計局815日、小売売上高や工業生産高など、いくつかの非常に重要な経済指標を発表しましたが、もう一つの重要指標である16歳から24歳の若年失業率などの年齢層による失業率は発表されませんでした。6月には21.3%と過去最高を記録した若年失業率ですが、フランスメディアは「中国は解決策を見つけた!それは発表しないことだ!」と皮肉りました。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

中国の経済指標発表

  中国は2018年から若年失業率を公表しています。2018年に平均11.5%だった若年失業率は、2020年の新型コロナ感染症発生以降は急上昇し、今年6月には21.3%にまで達しました。

 

  中国は2022年末にゼロコロナ政策を放棄しましたが、経済は期待された回復を見せませんでした。

 

  2023年第1四半期に比較的好調だった中国経済は、第2四半期に減速し、生産高は第1四半期比でわずか0.8%しか伸びませんでした。

 

  中国が世界の他の地域と異なるのは、デフレ圧力に直面していることです。

 

  中国経済が振るわない今、新卒者が労働市場に参入する7月と8月の若年失業率を発表しない!この点について、国家統計局の付凌輝報道官は、「その主な理由は、経済と社会の発展により、雇用統計を最適化する必要があるからだ」と説明しました。

 

  この動きはネット上で強い反響を呼び、あるネットユーザーは、「箝口令を敷き、目隠しをすれば問題が解決すると思っているのか?」と疑問を呈しました。

 

 

・ 他のデータもエコノミストを失望させた

 

  中国は若年失業率を発表しませんでしたが、発表されたデータも芳しいものではありませんでした。

 

  消費を反映する小売売上高は専門家の予想4.5%増に対し前年比2.5%増、工業生産高はわずか3.4%増でした。

 

  7月の都市部失業率は5.3%に上昇しました。しかし、この指標には農民工(出稼ぎ労働者)が考慮されていないとの批判があります。

 

  ある中国人エコノミストによると、公式の失業率統計は『積極的に』職を探している人のみを考慮し、3ヶ月経っても職が見つからない人は統計から除外されるため、実際の失業率はもっと高いと指摘しています。

 

  中国国家統計局による指標発表に先立ち、同じく815日午前、中国人民銀行は景気下支えのため、2020年以来の急激な利下げを発表しました。

 

 

・不動産危機

 

  中国経済減速の理由は多岐にわたると指摘されています。まず、中国はいまだに輸出に大きく依存していますが、7月の輸出額は14.5%減少しました。

deepredrose.hatenablog.com

 

  しかし、信頼を損なう主な要因は不動産危機であり、7月の不動産投資は前年同月比で8.5%減少しました。中国人の貯蓄の4分の3近くが不動産に投資されており、一部の小都市では価格が急落し、家計の購買力を低下させています。

 

  不動産大手の碧桂園が88日に債務不履行に陥り、中国のほとんどのデベロッパーが窮地に立たされたことから、危機が拡大するとの懸念が高まっています。

債務不履行(デフォルト)に陥った不動産大手の碧桂園

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  64天安門事件も新型コロナ感染者数も、都合の悪いことは無かったことにしたり、データの公表を中止することで乗り切ってきた中国ですが、経済不況も同様に乗り切るつもりなのでしょう。

 

  ちなみに中国人民銀行の利下げ発表後に1ドル7.3人民元の最安値を記録しています。不動産デベロッパーの負債救済のために人民元を大量発行すると、さらに暴落する恐れがあります。


参考記事

青年失业率上升怎么办?中国有办法:不发数字不就得了

https://x.gd/tonh5