黄大仙の blog

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習近平のG20欠席は中国外交の焦点の変化か?

中国当局は、インドのニューデリーで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に、李強首相が出席し、習近平国家主席は欠席すると発表しました。習近平G20欠席は中国外交の焦点の転換を示唆しているのでしょうか?

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

今年のインドG20会議を欠席する習近平(右)とプーチン(左)  写真は2019年大阪G20

  外部の分析によれば、習近平の欠席は開催国のインドにとって打撃となり、中国が西南の隣国に対して関係改善することに消極的であることを示すシグナルとなる可能性があるという。

 

  経済回復が遅れている中国に比べ、インドは世界で最も急成長している主要国のひとつです。G20首脳会議は、ナレンドラ・モディ首相が近年、市場にアピールし、世界のサプライチェーンを多様化する上で重要な役割を果たす新興国としてブランド化しているインドにとって、重要なショーケースと見られています。

 

  しかし、20206月にインドと中国が国境で軍事衝突して以来、中国とインドの関係は行き詰まっています。

 

  習近平は、今回のサミットの欠席が正式に決定する前に、南アフリカで開催されたBRICSサミットの傍らでモディと非公式に会談しました。部外者は、この動きを中印関係のデタント(緊張緩和)の兆候と見ていましたが、そうではなかったようです。

 

  ニューヨークのシンクタンク、アジア・ソサエティ政策研究所(ASPI)で南アジア・イニシアティブのファルワ・アメール主任は、「習近平G20サミット欠席は、中国がインドに主役の座を譲るのを嫌がっていると解釈できる。中国は、インドが 『グローバル・サウス』の顔や、この大成功を収めたG20サミットを主催した国になることを望んでいない。」と述べています。

 

  G20が首脳レベルの会合を主催するようになった2008年以来、中国国家主席は通常、直接出席しています。しかし今回、中国当局習近平国家主席の欠席理由を明らかにしていません。

 

  一方、習近平G20サミットを欠席したことで、近い将来の米中首脳会談の可能性は再び低くなりました。サミットに出席するためニューデリーを訪れているジョー・バイデン米大統領は、習近平の欠席に「失望」を表明しています。

 

  習近平がサミットを欠席したことで、年末にサンフランシスコで開催されるアジア太平洋経済協力会議APEC)で「バイデン-習近平」米中首脳会談が行われるのではないかとの憶測が出ています。

 

  ニューヨーク・タイムズ紙は、習近平G20を欠席したのも、中国の不動産危機が政治的・経済的安全保障に与える影響を考慮し、北京に留まって事態に対処したいという意思表示である可能性もあると指摘しています。

 

  習近平に歩調を合わせるように、ロシアのプーチン大統領も今年のG20サミットに欠席します。プーチンは、ロシアによるウクライナ侵略戦争が勃発した後、 インドネシアで開催された昨年のG20サミットも欠席しています。

 

  ロシア側の公式説明では、プーチンは「多忙なスケジュール」を抱えているとのことです。

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  習近平G20欠席は、その理由を多くの識者やメディアが推測しているようですが、どれも決め手に欠くようです。しばらくは中国国内の動きに注意するのが良いようです。


 


参考記事

<自由亜州電台>习近平缺席G20 中国外交重心有变?

https://x.gd/OsoH0