調査によると、中国では初婚年齢の高齢化が加速しており、晩婚化の特徴が顕著になっています。結婚市場における低学歴層の不利は激化しており、農村部の低学歴男性の生涯非婚率は今後も上昇し続ける可能性が高い。
中国国内ニュースサイト百度新聞に掲載された記事より。
今年初めに発表された公式の人口データによると、中国の人口は約60年ぶりにマイナス成長となり、人口減少の原因となった結婚と子育ての問題にも注目が集まっています。
中央財経大学社会心理科学部の張現苓准教授と首都経済商科大学労働経済学院の盛亦男教授は、1990年から2020年までの全国人口調査、全国人口標本調査などのデータを用いて、結婚・出産がどの程度先延ばしされているかを示す研究論文『1990年から2020年までの中国における結婚・出産先延ばし:傾向の変化と典型的な特徴』を人口学専門誌「人口研究」に発表し、結婚や出産の先送り現象の背後にある多くの「真実」を明らかにしました。
研究論文によると、1990年から2020年の間に、中国の女性の出産年齢のピークは23歳から27歳に遅れ、出産適齢期の女性の平均出産年齢は継続的に遅れています。
また、都市部の出産適齢期の女性は農村部の女性よりも出産を延期するスピードが速く、都市部と農村部の女性の平均出産年齢の差は拡大傾向にあります。
さらに、出産適齢期の女性において、教育が出産を遅らせる重要な理由となっていることもわかりました。過去30年間、あらゆる教育レベルの出産適齢期女性が初産を遅らせていますが、教育レベルが高いほど初産が遅れる傾向にあることがわかりました。
また、初婚の遅れに対する学歴の影響には新たな傾向が見られ、結婚市場における低学歴の不利は、1990年と比較して2020年には増加しており、一部の層における初婚の遅れに対する学歴の影響が拡大していることを示唆しています。
1990年と2020年の異なる人口における未婚者の割合を比較すると、第一に、女性の教育レベルが高くなり、初婚年齢も高くなっておいます。女性の生涯非婚に対する高等教育の影響は徐々に強まっています。
第二に、低学歴男性は結婚市場において最も不利な立場にありますが、この不利な状況は過去30年間で、ますます強まっていることが注目されます。
本論文は、生涯未婚率の観点から見ると、中国は依然として皆婚社会ではあるが、世界の一般的な傾向と一致して、近年、中国人の初婚が遅れ、結婚が困難になっていると指摘しています。
初婚の遅れは出産適齢期の女性の出産の遅れに直結し、女性の生涯出生数に影響を与えます。特に少子化時代においては、結婚や出産の遅れが人口減少に「追い打ちをかける」可能性があります。
本論文は、今後、国民の教育水準が向上し続け、人口移動がより頻繁になり、雇用圧力が高まり続け、個人の価値観が変化するにつれて、中国における晩婚化・晩産化の傾向がさらに強まる可能性があると考えています。
本論文は、人口開発戦略の観点から中国における晩婚・晩産の最新動向と典型的な特徴を重視し、結婚と出産の一体化に向けた政策支援制度を構築し、穏健な晩婚化の実現を促進すべきであると提言しています。出生率を向上させ、長期的にバランスの取れた人口の発展を促進します。
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教育レベルが高くなるほど、高校、大学、大学院と、卒業して社会に出る年齢が高くなるので、初婚・初産年齢が高齢化するのは当然と言えば当然なのですが、同じ教育レベルで1990年と2020年とを比較すると、2020年の方が晩婚化しているのが下のグラフから明らかにわかります。
このグラフは横軸が年齢、縦軸が未婚率を表していて、教育レベルをパラメータとして各年齢での未婚率をプロットしたものです。
例えば●のプロットは教育レベルが専門学校以上(大卒含む)の人の年齢ごとの未婚率を表しています。黒い●は2020年、青い●は1990年のデータを表し、25歳では1990年の未婚率は40%強程度なのに対し、2020年の未婚率は80%にもなります。
25歳以外の各年齢で見ても、2020年の未婚率は1990年の未婚率よりも高いことがわかります。
◽️で示した高卒、実線の中卒、点線の小学校卒のグラフも、2020年の未婚率は1990年の未婚率よりも全ての年齢で高くなっていることが読み取れます。
しかし、論文には晩婚化を解消するための提言はありませんでした。
中国のことですから、人口子宮システムで子供を作りまくるなんて平気でやっちゃうんでしょうね。
参考記事
<百度新聞>研究:中国人口初婚推迟速度加快,低学历男性终身不婚率或继续走高