ベトナムのレアアース埋蔵量は中国に次いで世界第2位で、世界の18%を占めるが、そのほとんどはまだ開発されていません。ベトナムのレアアース採掘は、現在のところ、主に同国の北西部と中央高地に集中しており、中国と米国が籠絡を競っています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
米中技術戦争の下で、中国は国家安全保障上の利益を理由に、8月以降、ウェハーの主要原材料であるガリウムとゲルマニウムの輸出規制を課しています。
米国としては、中国産レアアースへの依存から脱却すべく、ベトナムに照準を合わせています。
ベトナムも近年、精製技術の開発に着手しており、レアアース開発・生産は中国に挑戦する可能性を秘めています。
さらにロイターは9月、ベトナムが当初、年内にドンパオ鉱山の多くの鉱区の入札を行う意向であり、来年には国内最大のレアアース鉱山を再開する計画であると報じています。
欧米が支援するこの計画は、レアアース市場における中国の優位性に挑戦する可能性があります。
地政学的な影響もあり、中国内モンゴルの英思特稀磁有限公司は8月、レアアースのサプライチェーンを多様化し、中国への集中を避けるため、ベトナムに工場を設立する計画を明らかにしました。
復旦大学アメリカ研究センターの韋宗友教授は9月、「米越関係のアップグレードについて、バイデン政権はハイテク分野で対中制限・封鎖を推し進めています。米越関係アップグレードの内容の一つは、人工知能、サプライチェーンなどの分野で双方の協力を強化することです。その結果、米国企業の一部の事業が移転し、ベトナムに利益をもたらす可能性があり、これは米国がベトナムとの距離を縮めるために行っていることの一つである。」と述べました。
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米地質調査所(USGS)によると、2020年の中国のレアアース生産量は世界の58%を占めています。しかし鉱床そのものはユーラシア、オーストラリア、北米、南米の各大陸に分布しており、レアアースの埋蔵量は、中国が37%、ベトナム、ブラジルがそれぞれ18%、ロシアが10%と続きます。
中国は日本の水産物の禁輸処置でも明らかなように、輸出入禁止や規制を突然に課すことが多く、レアアースの大部分を中国に頼っていることは、何時供給を止められるかわからないというリスクが付きまといます。
埋蔵量2位を誇るベトナムには、米中ともに目をつけており、米中のどちらがベトナムのハートを掴むか、『恋の鞘当て』が始まりました。
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参考記事
<世界新聞網>越南稀土储量世界第二 中美拉拢