中国の王毅外交部長は1日、習近平のベトナム訪問に備えてハノイを訪問しました。中国とベトナムは、一帯一路の一部となる可能性のある両国間の鉄道路線の大規模な改良を検討しています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
ロイター通信がベトナム政府高官や外交官の話を引用して伝えたところによると、中国、ベトナム両政府は、中国雲南省の昆明から、ベトナムのレアアース(希土類)の埋蔵地を通り、ベトナム北部の港湾都市ハイフォンをつなぐ鉄道路線を大幅に改良する可能性について協議を進めています。
中国の王毅外交部長は、1日にハノイでベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長、ボー・バン・トゥオン国家主席らと相次いで会談した後、「中国ベトナム両国は貿易関係を強化し、鉄道路線を促進することで合意した。」と述べました。
11月の声明によると、ベトナムのファム・ミン・チン首相は中国の王文濤商務相がベトナムを訪問した際、昆明とハイフォンを結ぶ鉄道路線の改良を求めていました。
中国当局はベトナムとのインフラ接続強化の重要性を強調しています。
ベトナムと中国はすでに鉄道で結ばれていますが、ベトナム側の鉄道は旧式で輸送量も限られているほか、相互乗り入れができず、国境で乗客の乗り換えや貨物の移し替えが必要になっています。
ベトナムのレアアース製錬量は中国よりはるかに少ないが、ベトナムは独自の産業育成を目指している。ベトナム国営メディアによると、両国のレアアース専門家は先週、レアアース加工に関する協力強化について協議しました。
中国がベトナムの鉄道改良にどれだけの資金を提供するのか、あるいはハノイがそのために北京から巨額の融資を受け入れるのかどうかは、いまのところ不明です。
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米地質調査所(USGS)によると、2020年の中国のレアアース生産量は世界の58%を占めています。しかし鉱床そのものは各大陸に分布しており、レアアースの埋蔵量は、中国が37%、ベトナム、ブラジルがそれぞれ18%、ロシアが10%と続きます。
中国は日本の水産物の禁輸処置でも明らかなように、輸出入禁止や規制を突然に課すことが多く、レアアースの大部分を中国に頼っていることは、何時供給を止められるかわからないというリスクが付きまといます。
埋蔵量2位を誇るベトナムには、米中ともに目をつけており、中国は鉄道の改良という餌でベトナムを誘惑し始めました。
米国はどのような対応策を取るのでしょうか?
参考記事
<自由亜州電台>中越鐵路新路線可能將經過越南最大稀土地帶