黄大仙の blog

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中国、対米報復で最先端兵器の主要素材2種の輸出を削減 「制裁戦争の始まりに過ぎない」

米国の度重なるハイテク禁止措置に対抗して、中国は昨年81日からガリウムゲルマニウムの輸出を制限した結果、米国とその同盟国への主要半導体材料であるガリウムゲルマニウムの輸出は昨年激減しました。中国税関総署によると、2023年通年の中国のガリウム輸出総額はわずか847万米ドルで、前年同期比3分の2に減少、ゲルマニウム輸出も8%減の合計約4842万米ドルとなりました。

  米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。

先端半導体規制の対抗手段は原材料の禁輸 (写真はイメージです)

  美國之音は、ガリウムゲルマニウムの輸出規制は、米国とその同盟国による中国へのハイテク輸出禁止に対抗するため、中国政府が様々な報復の武器を使おうとする努力の始まりに過ぎないと報じました。

 

  ガリウムゲルマニウムは、先端半導体ウエハーの生産に欠かせない材料であり、一部の高性能兵器にもよく使われています。

 

  中国はガリウムゲルマニウムの世界生産をほぼ独占しており、世界のガリウム95%、ゲルマニウムの世界市場の60%を生産しています。

 

  中国のガリウムゲルマニウムの対米輸出は昨年7月以来完全に停止しており、ガリウムの対米輸出は前年同期比20%以上減少し、総額はわずか352700米ドルでした。

 

  中国のガリウムゲルマニウムの対日輸出規制は、貿易額から見るとさらに厳しくなっているようで、ガリウムの対日輸出は約4分の3の約368万ドルに激減し、ゲルマニウムの対日輸出も約3分の1の約376万ドルに減少しました。

 

  一方、中国のロシアへのゲルマニウム輸出は劇的に伸びており、昨年は78%増の1,099万ドルに達しました。2022年、中国はロシアにガリウムを輸出していないが、昨年のガリウム輸出額は19万ドル近くに達し、対米ガリウム輸出額の半分以上となりました。

 

  サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙はアナリストの話を引用し、米中ハイテク戦争が激化する中、中国は主要原材料の規制を拡大する可能性が高いと伝えています。

 

  中国グローバリゼーションセンターの高志凱副会長は、「これは、中国が主要原材料の輸出を制限しようとする動きの始まりに過ぎない。」と述べています。

 

  高志凱副会長は、「米国は中国のさらなる報復に備えるべきだ。中国はこれらの主要鉱物の採掘と加工において、10年、20年と世界をリードしてきた。中国が課す輸出規制は世界の最先端製品の大半の生産に影響を及ぼす。」と主張しています。

 

  高志凱副会長によれば、その影響は米国へのハイテク軍事製品の供給においてより強く感じられるだろうとのことです。一部のレーダーや戦闘機は中国産のこれら2つの材料に依存しています。

 

  フランスの投資銀行ナティクシス・アジア太平洋地域シニアエコノミストの呉卓殷氏は、ガリウムゲルマニウム、その他の主要原材料に対する中国の輸出規制は、主にこれら2つの原材料の価格に影響し、不足を引き起こすことはないと述べています。

 

  ガリウムゲルマニウムは特に希少というわけではなく、大半の企業は大量に備蓄しているだろうが、他国からの輸入はコストが高くつく可能性がある、と呉卓殷氏は主張しました。

 

  「輸出規制は常に地政学的な手段であり、これは始まりに過ぎない。 このツールの長所は、交渉の切り札として使えることであり、米中関係が予想外に改善すればいつでも撤回できることだが、その可能性は低そうだ」と呉卓殷氏は強調します。

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参考記事

<世界新聞網>报复美国 中大砍两尖端武器关键材料出口「这仅是反制战开端」

https://x.gd/TLrTG