中国の税関当局は、台湾を主権国家と表示した地図の国内流入を制限しています。過去30年間にわたって中国と韓国を往復していた韓国人が、ノートに挟んでいた世界地図に、台湾が国家として太字で表示され、台北が首都として赤字で表示していたため拘束されました。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
韓国人の鄭さんという72歳の乗客は1月24日の朝、韓国仁川空港から中国瀋陽桃仙国際空港に飛びました。
着陸後、保安検査で中国の税関職員に呼び止められ、手荷物の中のノートを取り出して中を見せるよう求められました。
ノートには「世界全図」が添えられており、「台湾」が太字、「台北」が赤字で書かれていたことが判明しました。
税関職員は、「台湾省を独立国と勘違いさせる」可能性があり、一帯一路の原則に反すると疑問を呈し、チベット周辺の国境表示も不鮮明すぎると指摘しました。
結局、鄭さんは1時間余りで釈放されましたが、地図は破られて没収され、税関職員は「韓国に帰ってから返す」と言い放ったと言います。
鄭さんは30年以上仕事で中国を往復しているが、このような事態に遭遇したのは初めてで、あまりに不条理だと感じたのでメディアに報告したといいます。
鄭さんは、「もしあなたが初めて中国に来た外国人だとしたら、どれほどばかばかしく、恐ろしいと感じるだろう。誰が中国に来たいと思うだろうか?」と怒りをあらわにしています。
一方、瀋陽の韓国領事館は、この件について調査中であり、もし中国の税関が本当に鄭さんに対して過剰な措置を取ったことが確認されれば、同様の事件が再発しないよう努めると同時に、中国に入国する際には問題となる地図や品物の携帯に注意するよう人々に伝えると述べました。
中国の法律では、「国の統一、主権、領土保全を危うくする」印刷物・視聴覚製品の持ち込みは禁止されています。(海关进出境印刷品及音像制品监管办法)
近年、中国税関は「問題のある地図」や「問題のある地球儀」の押収に関する情報も公表しており、その多くは台湾、チベット、新疆ウイグル自治区アクサイチン、南シナ海の島々、尖閣諸島に関わるものです。
しかし、公表されている情報によれば、過去には、外国人観光客の手荷物に小さな地図があったことを理由に、中国の税関が外国人観光客を拘束することは極めてまれだったとのことです。
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昨日までは『OK』だったものが、今日から突然に『NG』になるなんてことは、中国では普通にあることです。
これから中国に入国される方は、手荷物には細心の注意を払うようお願いします。
間違っても『台湾独立』なんて書かれたメモでも出てきたら、次に日光を浴びることができるのが、何年先になるかわかりません。
参考記事
<世界新聞網>南韩客行李中有「台独」地图 入境沈阳被扣1小时