ソウルの韓国税関当局は、米国製半導体チップを中国に密輸した疑いで企業幹部を逮捕しました。この幹部は2020年以降、空路で中国に144回にわたって半導体チップを輸送したとされています。韓国を利用して外国チップを中国に輸入していた事例が初めて発覚しました。
中華民国唯一の国営通信社である中央通訊社の記事より。
韓国の金融メディアBusiness Koreaの1月26日の報道によると、ソウル税関は25日に、海外電子部品を韓国に販売しているA社の代表取締役兼専務を違反容疑でソウル中央地検に引き渡したと発表しました。
ソウル税関当局によると、A社は韓国の通信機器開発会社を通じて輸入チップを購入しており、その中には韓国国内での使用のみを目的として輸入された戦略物資に分類されるチップも含まれていました。
中国に密輸された疑いのあるチップはアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を持ち、大量破壊兵器の製造に使用される可能性があるため、韓国政府から輸出許可を得ていないと報じられています。
調査によれば、A社が中国に密輸したチップは計9万6000枚、約139億ウォン(約15億円)相当で、このうち5万3000枚が戦略物資に該当したことが判明しています。
これらのチップは少量ずつ再包装され、韓国からの正式な輸出許可を得ることなくサンプルを装って中国に輸送されました。
韓国企業が、外国チップを中国に流入させた事例が、発覚したのは今回が初めてです。
米中テクノロジー戦争は長年続いており、米国は人工知能(AI)やスーパーコンピューティングなどの最先端産業における中国の開発スペースを抑制するのが目的で、2022年から包括的なチップ輸出制限を導入しました。
制裁は中国のテクノロジー産業に強い圧力をかけており、主要な部品や機械の入手は困難であり、中国での代替製品の開発も多くの障害に直面しているとされています。
参考記事
<中央通訊社>韓國首破獲企業高層將美國晶片走私至中國 3年空運144次