広州からサンフランシスコに移住して24年になる廖榮炘(87歳)は、ここ数年で、路上で次々と不可解な襲撃を受け、打撲傷を負うとは予想外のことでした。1月28日の朝、廖榮炘は20年以上の付き合いのある旧友に別れを告げ、引退して中国広州に戻ることを決めました。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
新聞晨報の報道によると、最初の襲撃は7年前の午前6時に発生しました。廖榮炘はいつもと同じように、無料の朝食を食べるためにサンフランシスコの教会に行こうと、路上を歩いているときに、突然に殴られて気絶し、目を覚ますと、自分が病院の緊急治療室に横たわっていました。
廖榮炘の右手は骨折し、8針縫って包帯で巻かれていました。警察は何度も取り調べたが、廖榮炘は何が起こったのか全く覚えておらず、事件は未解決のままになっています。
2度目の襲撃は、2020年2月20日の朝、サンフランシスコのテンダーロイン地区エディストリートとリーベンワースストリート近くで、当時84歳の廖榮炘は、車椅子に座りバスを待っていた時に起きました。
道路の反対側から、若い男が走り寄って車椅子を蹴り倒し、廖榮炘は後頭部を歩道にぶつけて大量に出血して気を失いました。 廖榮炘が目を覚ましたときにはすでに病院におり、頭を6針縫って4日間入院した後、リハビリセンターに移されました。
Since Chesa was elected, hate crimes against Asian Americans have risen 567%.
— The Successful Recall of Chesa Boudin (@safersfnoboudin) 2022年5月9日
Rong Xin Liao was waiting for the bus when he was brutally attacked. Grandpa Vicha was on his AM walk when his life violently ended.
AAPI communities can’t wait to feel safe. #YesonH #StopAsianHate pic.twitter.com/sG2VivYYxU
容疑者は逮捕され、廖榮炘も被害者として勇敢に法廷に立って、法に正義があることを求めましたが、容疑者はまさかの精神疾患の疑いで起訴が取り下げられたあげく、廖榮炘は地域社会の反発を招いてしまいました。
3度目の襲撃は3カ月前、車椅子に乗って薬局まで来た廖榮炘に、突然アフリカ系アメリカ人の青年が近づいてきて、拳を振りかざし、頭を殴りました。
廖榮炘は顔が血まみれになり、眼窩が腫れるほど殴られました。それを見た薬局のスタッフが警察に通報し、警察が駆けつけて加害者を逮捕しましたが、加害者は悪びれた様子も無かったそうです。
3回に渡る悲惨な経験の後、廖榮炘は3人の息子と議論し、残りの人生を過ごすために広州に戻ると決めました。
廖榮炘は、「私は米国に移住する前に引退しており、正式な仕事はありませんが、米国政府は、給付金や無料の医療の様々な福祉を提供し、高齢者の良い生活を保障してくれました。しかし3回も通り魔に襲撃され、難しい選択を迫られたのです。」と述べています。
廖榮炘は「息子たちの足を引っ張りたくないし、心配ばかりかけたくない。」とし、広州に戻る際には、米国籍を放棄し、中国籍を復活するとのことでした。
廖榮炘の20年来の七人の旧友が別れを惜しみました。彼らも全員が、アメリカであらゆる種類の暴力や強盗などに遭遇しており、彼らは廖榮炘の選択について同じように感じているとのことです。
香港01の報道によると、廖榮炘の息子は、「サンフランシスコはあまりにも危険で、治安はますます悪くなっている」と語ったとのことです。また、廖榮炘のいちばん下の息子が中国に住んでおり、彼の面倒を見る予定であることも明かしました。
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アメリカの事情はとく知りませんが、かなり治安が悪くなっているとは聞いています。アジア系の人が路上で突然に殴られる事件も、SNS上でみることも多いです。
アメリカ在住の方、旅行する方、くれぐれもご注意を。
参考記事
<世界新聞網>87岁翁在美街头遇袭3次 决定放弃美籍搬回广州