ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の最新の報告書によると、世界の核爆弾の総数は減少しているにもかかわらず、運用可能な核兵器の数は年々増加する傾向を示しています。また、中国の核兵器拡大のスピードは世界最速で、運用可能な核兵器を軍に投入しています。さらに、ロシアによるウクライナ侵略戦争、イスラエル・ハマス戦争などを背景に、核軍縮協議や平和協議が頓挫しており、SIPRIのダン・スミス所長は、「人類は現在、歴史上最も危険な時期のひとつにある」と述べています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
現在核兵器を保有しているのは、米国、ロシア、英国、フランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9カ国で、2024年の世界の核兵器の総数は約12,121発、その90%はアメリカとロシアが保有しています。
現在、軍事装備として稼働する可能性のある核兵器は約9,585発で、そのうち3,904発がすでにミサイルや軍用機に配備されており、2023年より増加しています。
配備されている核兵器のうち、約2,100発が高い即応態勢にあり、そのほとんどがアメリカとロシアのものです。
注目すべきは、中国が核弾頭を通常の作戦準備態勢に組み込み、初めて平時に少数ながら核弾頭をミサイルに搭載して配備したと、SIPRIの報告書は推測していることです。
さらに中国は、まだ核爆弾の保有数はアメリカやロシアをはるかに下回っているものの、2030年までに大陸間弾道ミサイルの保有数でロシアやアメリカに追いつく可能性が高いと見られています。
SIPRIのハンス・M・クリステンセン上級研究員は、「中国は他のどの国よりもはるかに速いペースで核兵器を拡大している。」と述べています。
戦術核兵器の開発に重点を置いてきた北朝鮮は、現在約50発の核爆弾を保有しており、90発まで製造・増加させるのに十分な核分裂性物質を保有しています。
SIPRIのダン・スミス所長は、「われわれは今、人類史上最も危険な時期にいる政治的敵対、経済的不平等、生態系の破壊、加速する軍備競争によって、世界の安全保障の危機は高まっている。」と述べています。
++++++++++++++++++++++++++++
核を持たないウクライナに対して核使用で脅しをかけるロシア、世界最速で核兵器を拡大する中国、人民を飢餓に陥らせても核武装を拡大する北朝鮮、どれもわが日本の隣国だと言うのが恐ろしい事実です。
参考記事
<世界新聞網>中国首将核弹头纳经常战备 国际和平研究所:人类史上最危险时期