民政部が発表した民政統計によると、2024年上半期の全国の婚姻届出件数は343万組にとどまり、前年同期の392.8万組に比べ49.8万組減少しました。離婚届については、上半期の届出件数は127万4,000組で、前年同期の131万7,000組に比べ4万3,000組の減少となりました。
中国のニュースサイト百度新聞に掲載された記事より。
経済が減速し、生活費が上昇するなか、独身を選んだり、結婚を先延ばしにする中国の若者が増えています。今年上半期に中国で登録された婚姻件数は2013年以来の最低水準に落ち込みました。
報道によれば、、婚姻率の低下は中国の人口政策に重大な影響を与える可能性があると指摘されています。
中国の出生率は近年下がり続けており、人口は2年連続でマイナス成長となっているのです。
中国の人口専門家である何亜福氏は、今後政府が実質的な少子化支援政策を導入しない限り、少子化傾向を覆すことは難しいと警告しています。
過去のデータを見ると、全国の婚姻届出件数は2013年に1,346万9,000件と過去最高を記録した後、9年連続で減少傾向にありました。
[注]結婚率:人口千人に対する婚姻件数の割合。
結婚率 = 結婚件数 / 人口 x 1000
2023年に増加していますが、多くのカップルが2020年から2022年の新型コロナ流行期に結婚式の日取りを延期することを選択したため、2023年に代償的な結婚ブームが起きたことによるところが大きいとみられています。
しかし、2024年上半期の婚姻届出件数の減少は、新型コロナ流行の代償効果が薄れたことを示唆しており、婚姻届出件数は年間を通じて減少が続くと予想されます。
何亜福氏の分析によると、伝染病の影響による2020年を除き、一般的に、婚姻登録の上半期は1年の51%~54%を占め、下半期の婚姻登録は1年の46%~49%を占めます。
仮に2024年下半期の婚姻登録数が年間の約48%、すなわち約317万組を占めるとすると、2024年通年の婚姻登録数は約343万組+317万組=660万組の見込みとなり、この数字は2022年よりもさらに少なく、1980年以来最低となります。
何亜福氏によると、婚姻登録件数が減少している理由は、若年層人口の減少、結婚適齢人口の男女比のアンバランス、初婚年齢の遅れ、結婚費用の高騰、結婚概念の変化など、さまざまな要因があると指摘します。
また、2024年の最初の数ヶ月は出生数が若干増加した地域もあったが、今年の婚姻登録件数が減少傾向にあることから、2025年の出生数は再び減少する可能性があります。
深刻な人口問題への対応として、中国民政職業大学は結婚産業と結婚文化の育成を目指し、結婚サービス・管理の専門課程を新設しましたが、この取り組みはソSNS上では懐疑的な見方が広がっています。
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人口減少の問題は中国でも深刻ですが、毎年の結婚件数が減少し、三人子政策も庶民に浸透しない現状では、少子高齢化に歯止めはかかりそうにありません。
人口問題の解決策は『一夫多妻制』と答えてドン引きされた元某市長がいますが、女尊男卑の進む中国では不可能です。
男が圧倒的多数を占めるアンバランスな男女比の中国では、「多夫一妻制」なら考えられるかもしれません。際限のない中国女子のわがままに対応することは、ひ弱な男子1人では無理です。
参考記事
<百度新聞>中国结婚人数降至新低 恐影响人口政策