米国務省は4日、黄屏駐ニューヨーク中国総領事が8月の任期満了に伴い、予定通り職を退いたと発表しました。キャシー・ホークル、ニューヨーク州知事が、彼女の側近の一人が密かに中国の諜報員として活動していたとの疑惑について、黄屏総領事の追放を求めたことを受けての動きです。しかし、国務省のマシュー・ミラー報道官は定例ブリーフィングで、黄屏氏は追放されたのではないと述べました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
CNNが4日に報じたところによると、ホークル知事はイベントで、ジョン・ブリンケン国務長官の要請で国務省高官と電話で話したとのことです。
ホークル知事は、「私は中華人民共和国総領事とニューヨーク公館を追放したいとの意向を伝えたが、総領事がもうニューヨーク公館で勤務していないことを知らされた。」と述べました。
これは、ホークル知事の元副参謀長でニューヨーク州労働省の元副局長リンダ・サンとその夫クリス・フーが、中国政府のエージェントとして秘密裏に行動したとして起訴された翌日のことです。
起訴状によると、リンダ・サン被告は外国代理人登録法違反、ビザ詐欺、人身密輸、マネーロンダリングなどの罪に問われており、なかでも中国領事館の要請に全面的に協力し、中国共産党のアジェンダを秘密裏に推進したことが挙げられています。
リンダ・サン被告の夫であり共同被告であるクリス・フーもまた、マネーロンダリングと銀行詐欺、および他人の身分を悪用した罪で起訴されています。
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米国ニューヨーク州知事の側近だったリンダ・サンが、中国政府の「代理人」として活動していたとして起訴されたのは9月3日でした。
リンダ・サン被告は州政府に勤務していた当時、台湾の要人と州高官との接触を妨害したり、中国にとって重要な問題に関する文書の改ざんを行うなど、中国政府と中国共産党のために活動していたということです。
リンダ・サン被告と夫はその見返りとして、中国側から数百万ドル相当の便宜が図られていました。リンダ・サン被告は去年、首席補佐官代理の職を解任されていました。
フィリピンではフィリピン人に成り済ました中国人エージェントが、フィリピンのヌエヴァ・ヴィスカヤ州バンバン市の市長に就任していたとして、逃亡先のインドネシアで身柄確保されフィリピンに送還されて当局に逮捕されたのは9月6日のことでした。
“中国のスパイ”疑惑のフィリピン前市長を逮捕 有罪なら最長懲役1200年以上の可能性(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
これらのケースは世界各地で暗躍している中国スパイ活動の氷山の一角に過ぎないと見なされています。
日本も決して対岸の火事ではなく、日本の公安当局者は、「中国政府関係者はスパイなどを使って日本の政界に侵入し、対中政策に影響を与えようとしている。中国政府のために動いてくれる政治家を誕生させる目的で工作も行っている」と指摘しています。
実際に、中国政府関係者がひそかに日本の現役国会議員秘書として活動していたケースも明らかになっているし、中国大使館などによく出入りしている国会議員や地方議会議員なども確認されています。
日本でも一般企業をはじめ、メディアや地方自治体でも外国人の採用は増えていますが、きちんとした対応が求められています。
実のところ社内にいる外国人て、良い奴が多いんですよ。
参考記事
<自由亜州電台>纽约州长要求驱逐中国总领事 美国务院:黄屏现已离职