短期のビジネス滞在を含めて約32万人のアフリカ系の人が中国に暮らしていると言われます。
中国人から暴行されたり、差別されたりするニュースが続々流れてきます。
「中国 アフリカ人」でググると、中国でのアフリカ人差別の記事がゾロゾロ出てきます。
このブログでも紹介しました。
感染確認されたアフリカ某国人が隔離された後に逃げ出したり、
違法滞在で路上生活をしていたり、
というニュースが流れて、
中国人のアフリカ人への差別意識はかなり強まっているようです。
元々漢民族は肌グロを嫌う傾向が強く、
日焼けした農民も蔑視されることが多いのですが、
黒人蔑視も強くなっているようです。
ネット上では中国人が集団でアフリカ人に暴行する動画も上がっていて、
アフリカ諸国が中国に抗議していることはブログに書いたとおりです。
ところが、フランスのAFPがいくつかの動画を検証し、
検証結果を発表しました。
[rfi]非洲人遭中国人暴打视频激化仇中情绪 可是(中国語)
拙訳
[rfi]アフリカ人が中国人に暴力を受けるビデオは憎しみを激化した、しかし。。
Facebook上では、
「広州でアフリカ人に暴行する中国人」
”中国人が黒人を暴行”
”彼らは黒人を残酷に扱い続けている”
と題名がついた動画がシェアされ続けています。
ところがAFPの検証では、これらの動画が、
最近ではなく過去に撮影された動画で、
中国ではなく国外で撮影された動画であることが判明しました。
この写真は広州市武漢街で中国人とアフリカ人の乱闘と公開されたのですが、
背景や道路の様子で、
ニューヨークブルックリンで撮影された動画だと断定されました。
アフリカ系とアジア系のアメリカ人同士の乱闘ということのようです。
グーグルストリートビューがこちらです。
レストランの看板や路上の消火栓を見れば、乱闘と同じ場所だとわかりますね。
こちらは中国人が集団で一人のアフリカ人に暴行している動画です。
動画には具体的な場所が示されてい無いものの、
テーマには”我が兄弟の中国での境遇”とあります。
2018年10月、暴力を受けたアフリカ人はザンビア人で、
中国人女性と性的関係を持ったために暴行されたと説明書きがあったそうです。
AFPの検証では、これが撮影されたのはマレーシア・クチン市だとわかりました。
マレーシア・クチン市内のある場所の様子です。
店の看板を見ると暴行が行われたのと同じ場所だとわかります。
しかも撮影された日付は2016年で、
このアフリカ人は女性をレイプし、怒った住民にボコボコにされた映像だそうです。
これはあくまで一例に過ぎませんが、
”中国人がアフリカ人を差別迫害している”動画だとされていても、
実は中国以外で撮影されたもので、
暴行したのも迫害ではないことがわかると思います。
ネット上では非常に多くの暴行動画が流れ、
反中国感情を煽っていますが、
ここで紹介したようなフェイクニュースも多くあると思います。
裏を取るなど、できる限り真偽を確かめる姿勢が大事です。