黄大仙の blog

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香港暴動への参加を疑われて起訴された7人の香港人が無罪に。

昨年831日に香港の灣仔(ワンチャイ)で行われた反法改正デモの暴動に参加したとして起訴された7人の被告人は無罪放免となりました。香港にはまだ司法の独立が残されていたと注目される記事です。

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   香港地方裁判所1031日、暴動現場近くで捕まって逃走したからといって、被告人が暴動に参加したと結論づけることはできないとし、7人の被告人に無罪を言い渡し釈放したと、アメリカ政府が運営する国際メディア美国之音が報じました。

 

  判決では、黒いシャツを着ていたからといって、恣意的に暴動に参加したとみなすべきではない。そうでなければ無実の人が誤って非難される可能性があると指摘しました。

 

  香港民主化デモ、2019年から始まった一連のデモ活動は、今年2020年に入って新型コロナの流行で下火になり、香港国家安全維持法の施行によってトドメを刺されたように鎮静化しています。

 

  デモの発端は2019年逃亡犯条例改正案に反対するデモで、逃亡犯条例改正案は犯罪人を相互に引き渡す相手国に、中国本土を入れるという改正案でした。

 

  20196月には参加者200万人のデモが発生するなど、強烈な反対運動により、逃亡犯条例改正案は20197月には撤回されています。

 

  人口750万人の香港で参加者200万人というと、日本に例えれば3000万人参加のデモ、中国に例えれば38千万人参加のデモが発生したことに対応します。

 

  デモ発生のきっかけとなった逃亡犯条例改正案が撤回されたのに、その後もデモが続いている理由は、デモの要求が逃亡犯条例改正案だけに収まらず、普通選挙の実現や、独立調査委員会の設置など、いわゆる「五代要求」にエスカレートしていたからです。

 

  逃亡犯条例改正案の撤回以外の要求は実現していないので、デモは続き、2019831日にもデモを行おうと警察にデモの許可を申請しました。

 

  このデモ申請は何故か許可が得られなかったのですが、多くの人が香港政府庁舎前に集まり、一部の強硬派が警官隊に向かって投石し、一方の警察側は、デモ隊を追い払おうと放水砲や催涙弾を発射し、激しい衝突が発生しました。

 

  デモ参加者の多くはこの時に、トレードマークである黒いTシャツを着用していましたが、デモに参加せずに、遠くからデモを眺めていた人たちにも、黒いTシャツを着用する人が多く見られました。

 

  デモ隊と警察隊との衝突の混乱で、警察隊は多くのデモ参加者を逮捕しましたが、「デモ参加者」か「見物人」か判断するのは難しく、黒いTシャツを着用していただけで逮捕された人もいたとされています。

 

  1031日に香港地方裁判所で無罪判決を受けた7人も、デモには参加していなかったことを主張していました。

 

  裁判では原告(警察・検察)が有罪を証明しなくてはならないのですが、原告の提出した証拠は裁判官を説得することはできなかったようです。

 

  沈小民判事は、検察側の最大の問題は、逮捕前の被告人の行動の証拠を示すことができず、被告人が暴動に参加したことを合理的に証明できなかったことだと指摘しました。

 

  事件の夜の状況は普通の状況ではなく、現場で歴史を目撃したいと思った人もいたことは否定できないと指摘しました。

 

  暴力行為や催涙ガスの発生が無いとは言えない状況では、現場近くにいた人がマスク、ゴーグル、手袋などを持っていても不思議では無いとも指摘しています。

 

  無罪判決を受けた7人は31日に釈放されたそうです。

 

  香港民主化デモ暴動で逮捕・起訴された事件で、7人も同時に無罪になったのは過去最多だそうです。

 

  この判決が示すのは、香港の裁判所判事は、香港政府や北京政府に忖度することなく、司法の独立を守っていることです。

 

  香港近海の海上で中国海警局に逮捕された活動家を含む香港人12人が、広東省に収監され逮捕されたのも、香港で裁判にかけても中国共産党の望む判決が出ないからかもしれません。

 

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参考資料 *>s

<美国之音>香港七人被控暴動罪庭審被裁定無罪獲釋

http*://bit.ly/2THdkeV