世界各国でワクチン開発と摂取競争が始まっています。すでに4種類のワクチンが承認されている中国では、今年9月までに接種を完了させるべきとの専門家の意見も出ているようです。
アメリカに拠点を置く世界中の華人向けメディアの世界新聞網の報道から。
通常では考えられないスピードで進む新型コロナワクチン開発ですが、その中でも中国の開発スピードは注目すべきものがあり、すでに4種類のワクチンが承認されています。
そのような中国でもワクチン接種は思うように進んでいないようで、接種スピードは他国に比べて遅いと専門家から指摘を受けています。
中国の伝染病予防専門家で上海復旦大学華山病院感染科部部長の張文宏氏は、中国は今年9月までにワクチン接種を完了させるべきだと主張しています。
張文宏氏はその理由として、世界が再稼働したときに、ワクチンを接種していない人は高いリスクを負うことになるとしています。彼は今年後半には、遅くとも第4四半期には日常生活が通常に戻り、人々の往来も再開すると考えています。
「Our World in Data」(OWID)によりますと、2月24日現在で中国の累積ワクチン接種回数は4052万回で、100人当たり2.82回になります。
イスラエルの100人当たり88.77回、英国の27.34回、米国の19.44回と比べると、かなり遅れをとっています。このペースで9月に予防接種を完了させることは可能なのかとの声もあります。
中国では春節後から多くの都市で大規模な予防接種が始まっており、ワクチンも4種類が承認済みで、7種類が第3フェーズの臨床試験中です。
中国軍事科学院軍事医学研究院生物工学研究所と康希諾(カンシノバイオロジック)の開発したワクチンは、1回接種で効果があり、保存も2~8℃と冷蔵庫で保存可能で、生産能力も今年中には年5億回分に達する見込みだそうです。
しかし英国のエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが1月に発表した報告書では、中国がほとんどの成人にワクチン接種を完了させるのは、2022年末から2023年前半になるだろうと予想しています。
その理由として、中国の国土の広さと人口の多さを挙げていますが、中国内で製造したワクチンで途上国向けにワクチン外交を展開していることも、中国内でワクチン接種が進まない理由になっているとしています。
おそらく中国政府は都市部で集団接種が完了すれば、農村部が積み残されていても「ワクチン接種完了宣言」を出し、活発な経済活動を再開することでしょう。
世界に先駆けて経済活動を再開させれば、2049年までに世界1の経済大国になると言う中国の夢の実現が近づきつつあります。
[あわせて読みたい記事]
参考記事
<世界新聞網>疫苗競賽!中已上市4款 專家料中國9月前打完疫苗
http*://bit.ly/37TY7yR